2022 Fiscal Year Annual Research Report
嗜銀顆粒性認知症の随伴神経・精神症状と責任病巣に関する臨床神経病理学的研究
Project/Area Number |
19K07988
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
齊藤 祐子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (60344066)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 嗜銀顆粒 / 脳幹 / 線条体 / タウ |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】嗜銀顆粒性疾患(AGD)は,迂回回・扁桃体から側頭葉・前頭葉へと進展する4リピートタウオパチーである.近年認知症に加えparkinsonism(Pism)を呈し,辺縁系に加え黒質に嗜銀顆粒を認める症例が報告されている.今回,Pismの出現の原因としてAGDにおける黒質線条体系ドパミン作動ニューロンの機能低下を考え,免疫組織化学染色を用いてこれを明らかにすることを目的とした.【方法】対象は当施設にて開頭剖検を行った1.Pismと認知症を伴うAGD3例,2.認知症を呈しPismを伴わないAGD3例,3.正常対照例3例,4.Parkinson病2例,5.PSP2例の5群とした.評価部位は黒質を含む脳幹水平断面・側坐核を含む大脳冠状断面・視床下核を含む大脳冠状断面の3か所とした.免疫組織化学染色は抗チロシンヒドロキシラーゼ(TH)抗体,抗ドパミントランスポーター(DAT)抗体を用いた.その上で,これらの抗体に対する黒質の陽性細胞密度および線条体の陽性線維密度を半定量的に検討した.【結果】黒質では3群と比較して,4・5群の細胞密度は高度に低下し,1群は軽度の低下を認めた.2群の低下は明らかではなかった.線条体では側坐核面及び視床下核面で3群と比較し4・5群で高度の線維密度低下を認めた.AGD例でも1群>2群の順で線維密度低下が見られたが,4・5群と比較して軽度であった.1群,2群とも,側坐核面で視床下核面より密度低下が目立つ傾向があった.これらの傾向は抗TH抗体・抗DAT抗体の両者に共通して見られた.【結論】Parkinson病やPSPと比較し軽度にとどまるが,AGDで黒質線条体系ドパミン作動ニューロンの機能低下が示唆され,特にPismを呈するAGDではその傾向が顕著である可能性が示唆された.
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] An Older Thrombus Delays Reperfusion after Mechanical Thrombectomy for Ischemic Stroke2022
Author(s)
1.Kitano T, Hori Y, Okazaki S, Shimada Y, Iwamoto T, Kanki H, Sugiyama S, Sasaki T, Nakamura H, Oyama N, Hoshi T, Beck G, Takai H, Matsubara S, Mizuno H, Nishimura H, Tamaki R, Iida J, Iba J, Uno M, Kishima H, Fushimi H, Hattori S, Murayama S, Morii E, Sakaguchi M, Yagita Y, Shimazu T, Mochizuki H, Todo K
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Journal Title
Thrombosis and Haemostasis
Volume: 122
Pages: 415~426
DOI
Peer Reviewed
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