2021 Fiscal Year Annual Research Report
新規同定環境リスク因子に基づいたウルチ米アミロースによる多発性硬化症の画期的治療
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19K07995
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡邉 充 九州大学, 大学病院, 助教 (30748009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 亮 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10467946)
磯部 紀子 九州大学, 医学研究院, 教授 (60452752)
松下 拓也 九州大学, 大学病院, 講師 (00533001)
中村 優理 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40822375)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多発性硬化症 / 環境因子 / 喫煙 / 疾患修飾薬 / 免疫細胞 / 食事 / 米 |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性硬化症の環境要因に関する調査の中で、喫煙が多発性硬化症の発症リスクであるのみでなく、重症化リスクになることも示された。さらに、多発性硬化症に対する疾患修飾薬の治療効果の差がないかを検証したところ、比較的多く使用されるフィンゴリモドやフマル酸ジメチルを使用中の患者においては、喫煙者は非喫煙者よりも再発やMRI活動性を含む疾患活動性が高いことが判明した。さらに疾患修飾薬開始時点で喫煙を継続している群と喫煙歴はあるが禁煙した群を比較すると、喫煙を継続した群の方が疾患活動性が高いことも明らかとなった。このことから、多発性硬化症患者に対し、強力な疾患修飾薬を導入しても、喫煙によって疾患活動性の抑制が不十分となるため、喫煙者には将来の予後を見据えて禁煙を指導することが重要と考えられた。 また多発性硬化症患者および健常者に対して施行したコメ摂取量を含む食事内容のアンケート調査と末梢血免疫細胞のフローサイトメトリー解析を行ったところ、多発性硬化症のリスク因子と考えられたコメの摂取量による免疫細胞のバランスの変化は現時点でも見出すことができなかった。ただ免疫細胞割合とコメ摂取量の交互作用を踏まえた解析では、effector CD4 T細胞割合が高いことが多発性硬化症のリスクと考えられるため、ここにコメ摂取に伴う関与が示唆された。さらに、コメの摂取量と再発回数との関連を評価したところ、アンケート前後4年の再発頻度が2回以上と多い群では、0-1回の少ない群より、コメの摂取量が少ないことが明らかとなり、疾患活動性とコメ摂取量との関連が想定され、その機序の解明が望まれる。
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