2019 Fiscal Year Research-status Report
発達障害の併存・合併症問題の精神病理の解明と個別化した早期治療の探求
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19K08008
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
廣田 智也 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (20832041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 まなぶ 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (40568846)
足立 匡基 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (50637329)
坂本 由唯 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (60770386)
高橋 芳雄 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (70760891)
中村 和彦 弘前大学, 医学研究科, 教授 (80263911)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 疫学 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究分担者とともに、思春期における精神科的・心理的問題を調査するための質問紙の作成に取り組んだ。具体的には、思春期における精神疾患や心理的問題を調査した国内外の疫学の先行研究を系統的に検索し、該当する文献を批判吟味することから開始した。その後、先行研究より得られた知識をもとに、研究分担者と議論を重ねることで、質問紙に含める質問項目を検討・決定した。具体的には、子供の行動チェックリスト(Child Behavior Checklist)を使用し、こどもの内在化問題(不安や抑うつ気分)と外在化問題(行動問題や衝動性)を測定することに決定した。また、質問項目には、精神疾患や発達障害の既往歴、治療歴(薬物治療、心理療法を含む)、保護者の心理的ストレスなどを含めることと決定した。これは、研究目的である、思春期における一般人口レベルでの精神疾患、心理的問題の罹患率を調査すること、を達成するための重要な過程である。
さらに、研究計画書の作成、同意書、同意撤回書の作成を行い、倫理委員会に提出した。 同意書には、思春期のこころの調査への参加同意と、これまでに実施された弘前市5歳児健診と学校調査に参加した場合は、それらのデータを思春期調査のデータと連結することへの同意、の2か所を含めた。これは、本研究の第二の研究目的である、幼児期から思春期への社会性・感情・行動問題の発達軌跡曲線パターンの同定を行うために必要な準備である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究一年目は、共同研究者とともに質問紙に含める内容の吟味と選定を中心に活動した。具体的には、社会経済的地位、児の性別・年齢、保護者の心理的ストレス、地域での信頼感、児の精神・心理的状態(不安、抑うつ、行動問題など)を質問紙に含めることとした。質問項目は妥当性の確立されている尺度を多く用いることで、研究の質を担保することとした。
同時に、共同研究者間で定期的に連絡を交わし(会議を含む)、本研究の実施手法について議論を重ねた。
2020年3月に弘前大学の倫理委員会に研究計画書を提出した。現在は倫理委員会の審査結果を待っている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
弘前大学の倫理委員会にて本研究計画書が審査を通過した後、弘前市の教育委員会、また市外の特別支援学校の教員と会議を重ね、実際の研究施行に向け準備する。現時点では、学校教師を通じて各家庭に質問紙を配布する予定である。
2020年の秋から冬にかけての配布を予定しているが、新型コロナウイルスの影響により2021年度の実施となる可能性がある。
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Causes of Carryover |
本研究の遂行のために必要な疫学研究デザインの決定に至るまでに共同研究者と複数回の議論を重ねた。現在、大学の倫理審査委員会にて本研究の計画書が審査中である。当初は、本年度に研究に使用する尺度の購入や質問紙の印刷などに必要な研究費を想定していたが、上記の理由により使用に至らなかった。そのためこれら研究費は次年度に使用する。
現在のCovid-19(コロナウイルス)のパンデミックの影響により、さらに研究遂行に遅延が生じる場合は、尺度の購入や他の研究遂行に必要な研究費はさらに翌年に使用する予定である。
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