2020 Fiscal Year Research-status Report
Simultaneous fMRI-EEG-DTI Recording of Functional Connectivity in Patients with Schizophrenia.
Project/Area Number |
19K08026
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
桐野 衛二 順天堂大学, 医学部, 教授 (90276460)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | functional connectivity / rsfMRI / schizophrenia / sLORETA / cortico-striatal network / supplementary motor area |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は成人でのFCおよびDTIの検討を進めた。 【rs-fMRI】補足運動野(supplementary motor area: SMA)を中心としたネットワークと視覚ネットワークにおいて群間差が顕著であった。患者群はSMAー両側中心後回・外側後頭皮質下部のFCは亢進し、SMAー両側被殻においては減衰していた(図1左 図2上段)。視覚ネットワークにおいては、患者群は右側頭後頭紡錘状回ー両側下前頭回弁蓋部のFCは亢進し、右側頭後頭紡錘状回ー両側外側後頭皮質下部のFCは減衰していた。 【脳波/sLORETA】Connectivityにおいて患者群は健常群と比べて、皮質―線条体ネットワークおよび視覚ネットワークで異常が示唆された。患者群は皮質-線条体ネットワークにおいては帯状回前部-右尾状核および楔前部-尾状核のω帯域のconnectivity、視覚ネットワークにおいては右後頭紡錘状回-右外側後頭皮質下部および楔前部-左外側後頭皮質下部のα1 帯域のconnectivityが有意に減弱していた。 【考察】患者群において、SMAを起点としたconnectivityの有意な亢進または減弱(SMA-被殻:減衰, SMA-皮質内:亢進)は、皮質-基底核ネットワークの機能不全をSMAを含む皮質内ネットワークが代償していることを示唆する所見とも考えられた。 統合失調症患者ではSMAを起点としたconnectivityの亢進(SMA-皮質内)または減弱(SMA-被殻)を認め、皮質-基底核ネットワークの機能不全を、SMAを含む皮質内ネットワークが代償していることを示唆する所見とも考えられた。この所見は統合失調症においてネットワーク間の相互制御に障害があることを示唆し、ネットワーク間分離不全仮説を支持するものとも考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
患者群において、補足運動野(supplementary motor area: SMA)を起点としたconnectivityの有意な亢進または減弱(SMA-被殻:減衰,SMA-皮質内:亢進)は、皮質-基底核ネットワークの機能不全をSMAを含む皮質内ネットワークが代償していることを示唆する所見とも考えられた。 患者群がSMAネットワークと視覚ネットワークにおいてconnectivityの有意な亢進または減弱を示したことは、ネットワーク間の相互制御に偏倚があることを示唆し、ネットワーク間分離不全仮説を支持するものである。 従来、SMAに着目した報告は少なく、さらに検討を重ねる価値のある所見と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在統合失調症前駆段階(At-Risk-Mental-State: ARMS)症例についてデータ収集中であるが、未だ十分なサンプル数に達してないため、2021年度も継続してデータ収集にあたりたい。さらにdiffusional kurtosis imaging(DKI)、Neurite Orientation Dispersion and Density Imaging(NODDI)とrs-fMRI・脳波所見と統合した包括的なARMSのFC異常の病態モデル確立を試みる予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大のため被験者の募集が制限されたため、実験の回数が予定していたよりも減少した結果、使用額が予定に満たなかった。 2021年度は感染の状況を考慮しつつ、感染防止に務めながら実験の回数を確保していく予定である。
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Research Products
(5 results)