2020 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症患者・両親トリオの全エクソーム解析を起点としたリスク遺伝子の同定
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19K08067
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
渡部 雄一郎 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90401744)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】白人を対象とした大規模な統合失調症患者・両親トリオの全エクソーム解析により、de novo変異がその発症に重要な役割を果たすことが明らかにされている。今回われわれは、日本人において統合失調症の発症に大きな影響力をもつ可能性があるde novo変異を同定することを目的として、患者・両親45家系の全エクソーム解析を行った。 【方法】統合失調症患者・両親45家系(5家系は罹患同胞対)を対象として全エクソーム解析を実施した。検出された変異について、①de novo、②変異の影響が高度または中等度、③アレル頻度が1%未満などの条件で候補リスク変異を絞りこみ、サンガーシーケンスにより存在を確認した。なお、本研究は新潟大学遺伝子倫理審査委員会により承認されており、対象者からは書面にて研究参加の同意を得た。 【結果】選択された47個の候補リスク変異のうち41個がサンガーシーケンスによりde novoと確認された。すなわち、フレームシフト変異6個、スプライス部位変異1個、構造的相互作用変異1個、ミスセンス変異31個、破壊的インフレーム挿入変異2個である。 【考察】患者・両親トリオ45家系の全エクソーム解析により、統合失調症の発症に大きな影響力をもつ可能性がある41個のde novo変異を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までに統合失調症患者・両親トリオ144家系のゲノムDNAサンプルを収集し、45家系について全エクソーム解析を終えている。シーケンスデータの解析に時間を要し、進捗がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
統合失調症患者・両親トリオのゲノムDNAサンプルをさらに収集する。残る家系の全エクソーム解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
シーケンスデータの解析に時間を要したため、次年度使用が生じた。次年度は、残る家系の全エクソーム解析を行う予定である。
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