2020 Fiscal Year Research-status Report
シグマ受容体イメージングによるストレス性疾患の客観的早期診断法の開発
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19K08197
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| Research Institution | Kanazawa University |
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Principal Investigator |
柴 和弘 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (40143929)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 茂 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (00210633)
北村 陽二 金沢大学, 学際科学実験センター, 准教授 (10368483)
小阪 孝史 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教 (50579836)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | σ-1受容体 / ストレス / vesamicol誘導体 / SPECT / （+)-OI5V |
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| Outline of Annual Research Achievements |
ストレス性疾患の重い精神的症状が出る前の早い段階での客観的な指標による早期確定診断用の新規イメージング剤の開発を目指し、ストレスに対する緩解作用と深く関係しているσ-1受容体に着目し、σ-1受容体に高い親和性及び高い選択性を有するイメージング剤の開発研究を行っている。昨年度までの成果として、12種類の新規vesamicol誘導体の中から、(+/-)-o-iodo-cyclopentanevesamicol(OI5V)がσ-1受容体に対して高い親和性及び高い選択性を示した。さらに、放射性ヨウ素標識した[125I]o-iodo-cyclopentanevesamicol([125I]OI5V)がin vivoラット脳内での高い集積性及び脳内でのσ-1受容体結合選択性があることがわかった。今年度は、OI5Vの光学活性体である(+)-OI5Vと(-)-OI5Vをそれぞれ合成し、σ-1受容体に高い親和性及び高い選択性のさらなる改善及びin vivoラット脳内での集積性及びσ-1受容体結合選択性が改善されるか検討を行った。In vitro結合阻害実験の結果、(+)-OI5Vが (-)-OI5Vに比べて、15倍高いσ-1受容体親和性および6倍高い選択性を示すことがわかった。さらに、in vivo動物実験の結果、ラット脳内の(+)-[125I]OI5V集積は (-)-[125I]OI5Vより、ラット脳内への高い集積性及び蓄積性及び高い選択的σ-1受容体集積性を示すことがわかった。来年度は、拘束及び強制水泳ストレス負荷マウス及び慢性的社会的敗北ストレス負荷マウスを作製し、社会的相互作用テストなどの行動解析を調べることによりシグマ受容体との関係や(+)-[123/125I]OI5Vのストレス性疾患用の早期診断薬としての可能性を検討していく。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に合成したo-iodo-cyclopentanevesamicol(OI5V)が高いσ-1受容体親和性及び選択性を示すとともに、in vivoラット脳への集積性を確認した。今年度は予定通りOI5Ｖの光学活性体である(+)-OI5Vと(-)-OI5Vを合成し、In vitroおよびin vivo実験により、(+)-[125I]OI5Vがラセミ体である[125I]OI5Vや(-)-[125I]OI5Vよりもσ-1受容体に対して、高い親和性、選択性及び高いin vivoラット脳内集積性、蓄積性及選択的σ-1受容体集積を示すことを明らかにした。しかし、今年度中に拘束や強制水泳等によりストレス負荷したマウスが、ストレスモデルマウスとして妥当かどうか行動解析及び血中ストレスホルモン濃度測定により確認する予定であったが、新型コロナ感染の影響により、ストレスモデルマウスの作製及び行動解析に必要な装置の部品購入ができずまた、モデル動物のストレス強度の解析を行うための実験ができなかった。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、拘束、強制水泳等の肉体的ストレスモデルマウスや慢性的社会的敗北ストレス等に精神的ストレスモデルマウスを作製し、ストレス度合いを血中コルチコステロン（ストレスホルモン）濃度測定やオープンフィールドテストや社会的相互作用テストなどの行動解析によりストレス度を判定する。(+)- [123/125I]OI5Vや(+/-)-[123/125I]OI5Vを肉体的又は精神的ストレスマウスに投与し、マウス脳内動態を調べることにより、ストレス強度と脳内σ-１受容体密度との関係を調べ、σ-１受容体イメージング剤[123I]OI5Vのストレス性疾患の早期診断・重症度診断薬としての可能性を調べていく予定である。
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| Causes of Carryover |
新型コロナ感染の影響で、当初の計画通り進めることが困難な状況となった。予定では、ストレスモデルマウスの作製及び行動解析に必要な装置の部品購入やモデル動物のストレス強度の解析に必要な試薬・消耗品等を購入予定だったが、そこまで実験を行うことができなかった。次年度にはストレスモデルマウスの作製に必要な装置の部品購入やモデル動物の解析に必要な試薬・消耗品等を購入できる予定であり、(+)-[125I]OI5Vのストレスとσ-1受容体との関係や(+)-[123/125I]OI5Vのストレス性疾患用の早期診断薬としての可能性を検討していく予定である。
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Research Products
(1 results)
