2021 Fiscal Year Research-status Report
血行再建術後の脳機能再構築:マルチパラメトリックMRIに基づく画像マーカーの創設
Project/Area Number |
19K08204
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
上村 清央 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (30593652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 俊一 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (00793936)
米山 知秀 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 特任助教 (30724512) [Withdrawn]
吉浦 敬 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (40322747)
福倉 良彦 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (50315412)
中條 正典 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (60727171)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | もやもや病 / 脳循環予備能 / 高次脳機能改善予測 / IVIM / 潅流成分f / APT / NODDI / マルチパラメトリックMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
もやもや病では、血行再建術(バイパス術)を施行することにより高次脳機能予後が改善することが知られているが、その術前の予後予測因子や術後の神経ネットワークの再構築の機序は十分明らかになっていない。 もやもや病診断・治療ガイドラインによると、虚血発症のもやもや病に対しては、主に浅側頭動脈を用いたバイパスによる直接または間接血行再建術が推奨されている。血行再建術前後の脳循環については、ダイアモックス負荷による脳循環予備能の評価も含めた脳血流SPECTも標準的に行われている。しかしながら、脳血流SPECTは被ばくを伴う。そこで、MRIを用いて、IVIM解析を行い、灌流成分であるfを測定することで、脳循環予備能を予測することが可能であるか、検討した。もやもや病患者27例において、MRIを125回、脳血流シンチによる脳循環予備能を80回測定した。これまでに半卵円中心レベルの1断面で解析を行ってきたが、今回、NEURO FLEXORを用いて、アトラスに基づく全大脳の脳領域単位の評価を行った。全大脳での解析においても、MRIでのIVIM解析による潅流成分fは、脳血流シンチによる脳循環予備能と負の相関を示し、MRIによる脳循環予備能評価に有用と考えられた。 今後は、NODDI、APTイメージングの解析も行い、また、血行再建術後の症状や一般理学所見、神経学的所見、Wechsler知能テストなどの高次脳機能検査の経過観察を行っていく予定である。そして、様々なMRIの定量値をグラフ理論に基づいて解析し、脳領域間のコネクティビティやその変化を様々なグラフ解析指標により評価し、血行再建後の高次脳機能改善と関連するネットワークパタンの同定、血行再建術後の神経ネットワークの再構築を調べていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
これまでに、もやもや病患者27例において、MRIを125回、脳血流シンチによる脳循環予備能を80回測定した。MRIでのIVIM解析を行い、潅流成分fは、脳血流シンチによる脳循環予備能と負の相関を示し、MRIによる脳循環予備能評価に有用と考えられた。しかしながら、COVID-19感染症の影響のために、予定よりも症例数の蓄積が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、さらに症例を蓄積し、NODDI、APTイメージングの解析も行い、また、血行再建術後の各検査の経過観察を行っていく予定である。そして、様々なMRIの定量値をグラフ理論に基づいて解析し、脳領域間のコネクティビティやその変化を様々なグラフ解析指標により評価し、血行再建後の高次脳機能改善と関連するネットワークパタンの同定、血行再建術後の神経ネットワークの再構築を調べていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの蔓延のため、計画していた学会への移動費が生じなかったため。今後の出張費にて使用予定である。
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