2022 Fiscal Year Annual Research Report
血行再建術後の脳機能再構築:マルチパラメトリックMRIに基づく画像マーカーの創設
Project/Area Number |
19K08204
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
上村 清央 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (30593652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 俊一 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (00793936)
米山 知秀 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 特任助教 (30724512) [Withdrawn]
吉浦 敬 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (40322747)
福倉 良彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (50315412)
中條 正典 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (60727171)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | もやもや病 / 脳循環予備能 / MRI / IVIM |
Outline of Annual Research Achievements |
もやもや病患者17例(平均30歳、男性6例、女性11例)。IVIMは臨床用3T装置を用いて、EPI拡散強調像で0~1000s/mm2の13個のb値で撮影した。Bi-exponentialモデルを用いて、f、D、D*を算出した。b0マップを用いて脳脊髄液マスク画像を作成し、fマップの脳脊髄領域をマスクした。I-123静注後、安静時脳血流量(cerebral blood flow:CBF)を測定し、アセタゾラミド静注15分後のCBFも測定した。メジフィジックス社製のFALCONを用いて、脳循環予備能(cerebrovascular reserve:CVR)(%) = (アセタゾラミド負荷後CBF-安静時CBF)/安静時CBFx100を算出し、両側のACA、M2ant、M2post、PCA領域にROIを設定した。脳脊髄液をマスクしたfマップにも同様のROIを設定した。IVIMで得られたfと脳血流シンチで得られたCVRの相関を、ピアソンの相関係数を用いて比較した。 IVIMのfと脳血流シンチのCVRとの間に、有意な負の相関関係が見られた(r=-0.216,P=0.01)。 未治療のもやもや病患者において IVIMによる潅流成分fは、脳血流シンチによる脳循環予備能CVRと負の相関を示し、MRIによる脳循環予備能評価に有用と考えられた。 脳血流シンチグラフィによる放射性医薬品の投与や動脈血採血などの侵襲を与えることなく、また、ダイアモックス負荷による脳梗塞や急性心不全、肺水腫を起こす危険性を与えることなく、脳循環予備能を推測できることは、患者にとって非常に有益である。特に、もやもや病患者は若年者に多く、これらの侵襲的な方法を回避できることは重要である。本研究期間中に、MRI検査によって、重篤な副作用は1例も発生しなかった。 高次脳機能の改善については、観察期間が短く十分な検討が困難であった。
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