2019 Fiscal Year Research-status Report
再生医療技術を応用した新たながん画像診断法及び治療法の開発に関する研究
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19K08206
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
中神 佳宏 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (80347301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楫 靖 獨協医科大学, 医学部, 教授 (10273947)
加納 大輔 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 薬剤師 (70392347)
原 孝光 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 教授 (70464542)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、がん細胞に特異的に集まる性質を持つヒト臍帯血由来の特殊なT細胞「HOZOT細胞」について報告があった。HOZOT細胞は、cell-in-cell現象(細胞侵入現象)によって、がん細胞内に特異的に侵入するという。そして我々はHOZOT細胞を放射性同位元素でラベリングする手法について開発した。そして、放射性同位体標識HOZOT細胞が標識操作後もcell-in-cell活性が失われていないことを確認した。本研究では、このHOZOT細胞の利用を容易にするため、HOZOT細胞をiPS細胞で作成することにより、新たながんの診断法や治療法の開発を目指すこととする。 ブドウ糖代謝をイメージングする18F-FDGをはじめ、生体内の代謝亢進をイメージングすることにより悪性腫瘍を診断する試みは以前からなされており、今では臨床応用されているが、病変と生理的集積や炎症性集積との区別が困難な場合もあり、また、良性腫瘍にも集積することもあるなど依然として克服すべき課題も多い。本研究では、新たな腫瘍イメージング技術の開発は現在重要な研究テーマとなっている。また、放射性同位体標識HOZOT細胞がヌードマウスなどの担癌動物のがんに対し、がん特異的に集積し腫瘍イメージングとしての可能性があるか、動物用マイクロSPECT-CTやマイクロPET-CTにより撮像し検証することとする。 更に、α線やβ線放出核種によるHOZOT細胞の標識も試み、がん治療用のHOZOT細胞の開発を進めることとする。 これらの研究成果を臨床応用するためには、HOZOT細胞の利用を容易にすることが重要である。そこで、HOZOT細胞をiPS細胞で作成することにより、これらの診断法や治療法の汎用性を高めることとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
最初にiPS細胞からHOZOT細胞の作成を試みた。まず、タカラバイオ社製キット「Human iPS Cell Generation Episomal Vector Mix、製品コード3673」を使用し、正常ヒト末梢血単核細胞からiPS細胞を誘導しようとした。Feeder細胞としてはMEFを使用した。こうして、ヒト末梢血単核球細胞からのiPS細胞の樹立が可能となると考えられた。しかしながら正常ヒト末梢血単核細胞の状態が良くないためか、思うようなiPS細胞の樹立には至らなかった。現在、プロトコールの見直しを検討しているところである。 HOZOT細胞に対する放射性同位元素による標識法における標識率の向上についても試みた。我々は、既にHOZOT細胞を111Inや99mTc、62Cu、64Cuで標識する方法を開発し、これらの核種で標識後も、HOZOT細胞のcell-in-cell活性が失われていないことが確認しているが、現状では標識率にはバラつきがあった。その原因として、HOZOT細胞の生存率が深く関わっていることが考えられた。 また、64Cuは陽電子放出核種であると同時にβ線放出核種であるから殺細胞効果も高く、64Cu標識HOZOT細胞はがんの治療薬としての利用が可能であると考えられるが、核種の入手が現状では困難である。今後、各関連機関との連携等を密にして、これらβ線放出核種の入手を可能にするよう努力する必要があると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、早急に、正常ヒト末梢血単核細胞からiPS細胞の誘導法について、プロトコールの見直しを検討し、安定的なiPS細胞の樹立法の確立をする必要がある。使用しているキットの変更を考えたり、再生医療の専門家の意見を参考にしたりする必要があるだろう。 上記のようにiPS細胞の樹立が安定的に出来れば、次に、放射性同位元素標識HOZOT細胞による腫瘍イメージングを試みる。即ち、標識HOZOT細胞がヌードマウスなどの担癌動物のがんに対しがん特異的に集積し腫瘍イメージングとしての可能性があるか、動物用マイクロSPECT-CTやマイクロPET-CTにより撮像し検証する。更に、iPS細胞由来放射性同位元素標識HOZOT細胞による抗腫瘍効果を検証する。即ち、β線放出核種である64Cuによって標識されたHOZOT細胞を、担癌ヌードマウスに投与し、がんに対する治療効果について検討する。
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Causes of Carryover |
iPS細胞の樹立が当初の想定通りにはいかなかったので、物品費の使用額が想定より少なくなったため。次年度以降には実験プロトコールを見直すことにより物品費の使用額を想定通りにするように努める。
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Research Products
(1 results)