2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of treatment for autism spectrum disorder relating with oxytocin and miRNA
Project/Area Number |
19K08258
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
山形 崇倫 自治医科大学, 医学部, 客員教授 (00239857)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / MECP2 / MECP2重複症候群 / Rett症候群 / miRNA / 遺伝子治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症(ASD)等の神経発達症と関連疾患のRett症候群/MECP2重複症候群の病態解析と治療開発研究を行った。治療開発として、オキシトシン神経系を賦活する機能性糖質のASDと肥満に対する効果と、MECP2関連疾患のmiRNAを用いた治療や遺伝子治療を検討している。 機能性糖質の臨床研究は、治療薬群と非治療薬群の二重盲検試験実施後、治療群と非治療群を交代して実施した。10名治療実施し、2024年6月にキーオープンの予定である。大きな有害事象はなく、有効性が示されれば、治験に進む予定である。 MECP2発現を抑制するmiRNA同定研究を行った。検索アルゴリズムでMECP2抑制の可能性が高く、他遺伝子に作用する可能性が低いものなど、50種類のmiRNAを選択し、培養神経細胞でスクリーニングした。ヒトとマウス両方でMECP2発現を0.5-0.8程度抑制するmiRNAを4個選択し、MECP2重複症候群モデルマウスの海馬由来神経細胞とヒトiPS細胞由来神経細胞で、Mecp2発現をそれぞれ60-84%に抑制することを確認した。しかし、神経細胞と神経芽細胞でも作用の程度が異なることも示され、さらに、網羅的にオフターゲット作用を確認しており、治療薬候補miRNA選択を進めていく。 低発現で神経細胞特異的に発現するsynIプロモーターを用いたMECP2導入ベクター(AAV9)を作製し、Rett症候群モデルマウス大槽に注入し、治療効果を確認した。オスマウスでは生存期間が80日から100-120日間、さらにそれ以上の長期生存例も得られた。ヘテロのメスでは、1年間観察し、運動機能改善等の効果が明らかになった。さらに解析を進め、治療薬として確立していく。同時にdCasシステムを用い、不活化されている正常MECP2の活性化による治療も進めている。
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