2021 Fiscal Year Annual Research Report
新生児呼吸窮迫症候群の新たな成因同定と発症メカニズムの解明
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19K08261
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
鈴木 光幸 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90449059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原田 賢一 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特別招聘教授 (40455366) [Withdrawn]
中野 聡 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (70826453)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺サーファクタント / 胆汁酸 / オキシステロール / 呼吸窮迫症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度以降はcholestenoic acidまたはその下流の代謝産物が肺胞細胞の分化に及ぼす影響を解析し、single cellレベルでの遺伝子解析を行うことでRDSが生じたメカニズムの解明を行った。発生後期(E18.5)では肺胞構成細胞である肺胞上皮I型細胞(ガス交換を担当)やII型細胞(サーファクタント産生)が著減しており、サーファクタントの合成異常だけではなく、成熟肺胞上皮細胞の欠失が原因であると考えられた。肺胞上皮細胞が消失した原因を探るために少し早い段階(E16.5)の胎児肺を解析したところ、アポトーシスを起こした細胞は増えておらず、むしろ死細胞は少なかった。一方で細胞周期を調べると、Cyp27a1ホモ欠損母体由来胎仔では肺胞上皮(前駆)細胞で増殖期にいる細胞が有意に減少しており、細胞がそれ以上増殖・分化していないことが成熟肺胞上皮細胞欠失の原因であると考えられた。さらに遡ってE14.5の胎児肺のシングルセルRNA解析を行ったところ、成熟肺胞上皮細胞を代表する遺伝子(Sftpc、Sftpb、Agerなど)のRNA発現はCyp27a1ホモ欠損母体由来胎仔で異常亢進していた。ところがタンパク質レベルではSftpcはむしろ減少しており、肺胞上皮の分化・成熟に必要な遺伝子がうまく翻訳されていない可能性が示唆された。Cyp27a1ホモ欠損母体由来胎仔の肺胞上皮前駆細胞で発現が低い遺伝子がどういった分子経路に関連しているかをGene set enrichment analysis(GSEA)により解析したところ、c-Mycによって制御される遺伝子群であることが判明した。
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Research Products
(1 results)