2019 Fiscal Year Research-status Report
心筋緻密化障害の病態解明:転写因子TBX5下流経路の重要性に着目して
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19K08295
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
廣野 恵一 富山大学, 学術研究部医学系, 特命講師 (80456384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 寿 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (00239617)
長谷川 英之 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (00344698)
高崎 一朗 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (00397176)
西田 尚樹 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (10315088)
伊吹 圭二郎 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (20566096)
市田 蕗子 富山大学, 事務局, 学長補佐 (30223100)
畑 由紀子 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (30311674)
小澤 綾佳 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (40596540)
長岡 亮 富山大学, 学術研究部工学系, 特命助教 (60781648)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心筋症 |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋緻密化障害は、心室壁の過剰な網目状の肉柱形成と深い間隙を特徴とする心筋症である。しかしながら、病態の多くが不明であり、根本的な原因究明が急務である。今回の我々の目的は、TBX5 遺伝子の一塩基変異を起点に分化・成熟過程に関連する分子が次々と障害され心筋緻密化障害が起こるという仮定に基づき心筋緻密化障害の病態とTBX5の新たな機能を解明することである。TBX5 遺伝子の一塩基変異による機能障害を検証するために、TBX5のレポーターアッセイ、患者由来iPS細胞の発現プロファイル解析によりTBX5の下流経路の障害を検証する。さらに、TBX5 遺伝子変異導入マウスを作製した上で、表現型を明らかにした上で、肉柱形成とそれに続く心筋緻密化過程の関係について検証する。 現在、本研究において、我々は、以下の知見を得た。①レポーターアッセイにより本遺伝子変異はANF発現の活性を妨げず、T-boxドメインを介さないことを明らかにした。②TBX5 遺伝子の一塩基変異による機能障害の一例として、心筋緻密化障害患者から見いだされたp.Arg264Lys変異遺伝子をゲノム編集技術にて導入したマウスをすでに作製した。③成人の遺伝子変異導入マウスの病理組織から心拡大と線維化を認め、心臓超音波検査から心不全をきたすことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TBX5 遺伝子の一塩基変異による機能障害を検証するために、①TBX5のレポーターアッセイと、②患者由来iPS細胞の遺伝子発現解析によりTBX5の下流経路の障害を検証する。③TBX5 遺伝子の一塩基変異を導入した遺伝子変異導入マウスを作製し、④病理・生理学的機能解析研究を行い、表現型を明らかにする。⑤遺伝子変異導入マウスから心筋細胞の発現プロファイル解析を行い、肉柱形成とそれに続く心筋緻密化過程の関係について洞察を得るという計画を設定した。この5つの予定のうち、3つ目まで着手しており、本研究計画を当初予定していたタイムスケジュールに従って順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、①病理・生理学的機能解析研究を行い、表現型を明らかにする。②遺伝子変異導入マウスから心筋細胞の発現プロファイル解析を行い、肉柱形成とそれに続く心筋緻密化過程の関係について洞察を得るという計画に着手し、研究計画を完遂する予定である。
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Causes of Carryover |
学会におけれう他の研究グループによる研究成果発表により、当初の研究計画通りでは解決できない問題が生じ津ことが明らかとなり、問題解決のために研究計画を変更する必要が生じ、調整を行った結果年度内に完了し得ない部分が生じることとなった。 レポーターアッセイに必要な細胞培養や物品を購入予定である。次世代シーケンサー、リアルタイムPCRに必要な消耗品を購入予定である。遺伝子変異導入マウスの飼育費にあてる予定である。遺伝子変異導入マウスの病理組織作成および心電図解析に関する備品および消耗品を購入予定である。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] A significance of school screening electrocardiogram in the patients with ventricular noncompaction.2020
Author(s)
Hirono K, Miyao N, Yoshinaga M, Nishihara E, Yasuda K, Tateno S, Ayusawa M, Sumitomo N, Horigome H, Iwamoto M, Takahashi H, Sato S, Kogaki S, Ohno S, Hata T, Hazeki D, Izumida N, Nagashima M, Ohta K, Tauchi N, Ushinohama H, Doi S, Ichida F; Study group on childhood cardiomyopathy in Japan.
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Journal Title
Heart Vessels
Volume: 35
Pages: 985-995
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Left Ventricular Noncompaction and Congenital Heart Disease Increases the Risk of Congestive Heart Failure.2020
Author(s)
Hirono K, Hata Y, Miyao N, Okabe M, Takarada S, Nakaoka H, Ibuki K, Ozawa S, Yoshimura N, Nishida N, Ichida F, Lvnc Study Collaborators.
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Journal Title
J Clin Med.
Volume: 9
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Lipidomics links oxidized phosphatidylcholines and coronary arteritis in Kawasaki disease2019
Author(s)
Nakashima Y, Sakai Y, Mizuno Y, Furuno K, Hirono K, Takatsuki S, Suzuki H, Onouchi Y, Kobayashi T, Tanabe K, Hamase K, Miyamoto T, Aoyagi R, Arita M, Yamamura K, Tanaka T, Nishio H, Takada H, Ohga S, Hara T.
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Journal Title
Cardiovascular Research
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] CYP2C9, VKORC1, and CYP4F2 polymorphisms and pediatric warfarin maintenance dose: a systematic review and meta-analysis2019
Author(s)
akeuchi M, Kobayashi T, Biss T, Kamali F, Vear SI, Ho RH, Bajolle F, Loriot MA, Shaw K, Carleton BC, Hamberg AK, Wadelius M, Hirono K, Taguchi M, Wakamiya T, Yanagimachi M, Hirai K, Itoh K, Brandão LR, Ito S.
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Journal Title
The Pharmacogenomics Journal
Volume: 20
Pages: 306~319
DOI
Peer Reviewed
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