2020 Fiscal Year Research-status Report
小児特発性ステロイド感受性ネフローゼ症候群に対する血管透過性抑制因子の役割の解析
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19K08328
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
金井 孝裕 自治医科大学, 医学部, 准教授 (00398504)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小児ネフローゼ症候群 / 血管透過性因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児慢性腎疾患において世界的に重要な位置を占める、小児特発性ステロイド感受性ネフローゼ症候群(小児ISSNS)の病態解明に寄与する知見を得て、その発症予防・治療薬の開発を促進させることを目的として、本研究を開始した。 これまでに、本研究代表者は、①小児ISSNSの病勢と、血清IL-7値に、関連があること ②小児ISSNSでは、病勢に応じて、血小板数の変化、コレステロール値の変化、CD4+細胞数の比率変化、があること、③IL-7シグナルの下流に、小児ISSNSで観察される、血小板数の変化、コレステロール値の変化、CD4+細胞数比率の変化、を説明しうる遺伝子が存在すること、を、報告した。そして、IL-7の細胞内シグナル伝達に関与する因子が制御する遺伝子を、ヒト末梢血単核球を用いて、ChIP-seq法にて網羅的に解析した。 今回、上記の解析結果の中から、血管透過性にかかわる因子を抽出し、小児ISSNSへの関与を、下記検体を用いて解析することを、試みている。 解析検体としては、(1)ステロイド治療開始前ネフローゼ期 (2)ステロイド治療下寛解期 (3)ステロイド治療終了後寛解期 の、一連の病勢における血清・尿を用いている。これらの検体を用いて、今回の研究ターゲットとしている物質の測定を試み、小児ISSNSの病勢との相関を解析している。 2020年度は、新たに、本疾患罹患児8名分の同意書、並びに検体確保を得て、研究を進めている。 本年度は、世界的な、日常生活・研究生活の制限により、研究を予定通り行うことはできていないが、社会情勢をみながら、社会・研究活動が許容される範囲を遵守しながら、今後も上記の解析を継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
やや遅れている。 世界的に流行するウイルス感染症により、社会・研究活動が制限され、検体採取、ならびに、研究の施行に、遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
・2020年度に予定した研究を、今年度の研究予定に加えて、行う。 ・比較対照群の解析数も、同様の目的で、増やしていく。
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Causes of Carryover |
1.次年度使用額が生じた理由: 世界的に流行するウイルス感染症により、社会・研究活動が制限され、検体採取、ならびに、研究の施行に、遅れが出たため。 2.使用計画: 令和2年度に施行・終了予定であった研究の施行を行うための試薬購入に使用する。
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