2020 Fiscal Year Research-status Report
Roles of CD69-Myl9 system for vasculitis in Kawasaki disease
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19K08330
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
濱田 洋通 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10453789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 弘信 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (50729019)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 川崎病 / 血小板 / 血管炎 / 小児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,小児の急性血管炎である川崎病においてCD69-Myl9(ミオシン軽鎖9)システムの関与を検討することである。川崎病血管炎の病態において,一峰性の経過で白血球が動脈壁に作用し収束する時間的空間的機序は不明である。血小板活性化が川崎病の臨床経過に深く関わっていることから、血小板から放出されるMyl9とその受容体CD69がこの問いに答える鍵になると仮説を立てた。川崎病病理組織による検討,患者血中Myl9濃度と川崎病活動性との関連、冠動脈炎モデルマウスにおいて内膜に集積する細胞起源を同定しCD69ノックアウトあるいはMyl9抗体投与により本経路を制御した場合の動脈リモデリングへの影響を検討する実験の3項によって,前述の仮説を検証する計画である. 3例の川崎病病理組織の冠動脈瘤内膜や血栓内にMyl9が陽性であることを見いだした。同年齢のコントロール組織では、この部位に集積は見られなかった。川崎病患者血中Myl9濃度は他の熱性疾患に比して高く、かつ病期との関連を認めた。LCWE投与による冠動脈炎モデルマウス実験系を確立し、Myl9はWild typeマウスでは中膜に限局して存在するが、炎症を起こすと冠動脈内外膜に発現が広がり炎症細胞の浸潤をこの近傍に認めた。 最終年度の計画として、この炎症細胞の性質と起源を同定すること、CD69ノックアウトあるいはMyl9抗体投与により本経路を制御した場合の動脈リモデリングへの影響を検討することを検討する予定である。最終ゴールとして,本研究課題の知見をもとに既に作成してあるヒトMyl9抗体の川崎病治療への臨床応用の可能性に繋げたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験について、試薬や動物の供給が社会状況によって滞り、なかなか進まなかったがようやく結果が出始めている。最終年度でこの部分を充実させ、公表に至りたい。
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Strategy for Future Research Activity |
川崎病病理組織の冠動脈瘤内膜や血栓内にMyl9が発現しており、川崎病患者血中Myl9の動態も病勢を反映している結果を得て、CD69-Myl9のPathwayが川崎病血管炎に関連している可能性が高いと考えている。川崎病冠動脈炎のモデルの1つであるLCWE投与による冠動脈炎モデルマウス実験系においても、炎症惹起により、Myl9の発現に変化を認めた。 今後、この炎症細胞の性質と起源を同定することが重要な方策の1つとなる。また、CD69-Myl9のPathwayの制御を、CD69ノックアウトマウスを使用したLCWE冠動脈炎モデルあるいはMyl9抗体投与によって行い、本経路を制御した場合の動脈リモデリングへの影響を検討することがもう1つの重要な方策となる。 最終年度にこれらの結果を得て、既に作成してあるヒトMyl9抗体の川崎病治療への臨床応用の可能性の検討に研究を進めたい。
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Causes of Carryover |
物品費が計画より安くなった。余剰分を次年度物品費として上乗せして使用したい。
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Research Products
(5 results)