2021 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of allo-specific antibody responsible for the pathogenesis of neonatal hemochromatosis
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19K08339
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
谷内江 昭宏 金沢大学, 附属病院, 特任教授 (40210281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東馬 智子 金沢大学, 附属病院, 助教 (00377392)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 新生児ヘモクロマトーシス / アロ抗原 / 胎児肝 / 妊娠 |
Outline of Annual Research Achievements |
新生児ヘモクロマトーシス(NH)は胎児期に発症、出生直後から高度の肝機能不全、全身臓器の鉄沈着を伴う、致死的疾患である。出生時にはすでに病態が完成していることが多く、唯一、肝移植が救命的治療の可能性を持っている。前年度までで、胎児治療を施行した母体より得られた血清試料を材料として、高率で存在することが予想されるNH関連アロ抗原の同定を、プロテインアクティブアレイを用いて試みた。 これまで、新生児ヘモクロマトーシス の発症病態に関与する可能性があるアロ抗原候補の絞り込みを行った。候補となった抗原について、抗体検出のためのELISA 系を構築し、現在患者母体、対照妊婦、正常対照について血清中特異抗体を定量開始している。有力候補と推定された抗原に対する ELISA 系により、複数の症例で共通にアロ抗体を検出することが可能となった。さらに、対照妊婦、非妊娠女性の結成中には検出されないか、極めて低力価であることも確認した。 今年度はさらに、胎児抗原蛋白発現アレイデータを入手し、胎児肝組織に高発現する蛋白と、プロテインアクティブアレイによって絞り込まれた候補蛋白との照合を行った。 今年度新たに、胎児肝組織ならびに成人肝組織の mRNA 発現比較を施行し、胎児肝特異的に発現している複数の蛋白を同定、この中に上記のアロ抗原も含まれることを確認した。
現段階で、このような複数のアプローチの組み合わせによって、胎児肝組織特異的に高発現を示し、かつNH妊婦において抗体価が上昇することが示唆される少数の蛋白の絞り込みに至った。 次の段階の研究では、これらの蛋白に対する自己抗体と、NHとの病態との関連、疾患特異性についての検討を進める。
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