2019 Fiscal Year Research-status Report
髄芽腫における髄膜播種の機能解析とリキッドバイオプシーの可能性についての検討
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19K08345
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木嶋 教行 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (80534627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金村 米博 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (80344175)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 髄芽腫 / 髄膜播種 / リキッドバイオプシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、まず手術によって得られたヒト由来の髄芽腫細胞を免疫不全マウスの脳内へ移植し、髄膜播腫および血行性転移が起こる頻度を検討した。免疫不全マウスに腫瘍が形成された際に、脊髄および全身臓器を採取したところ、髄膜播種は高頻度で生じていた。また全身臓器の中では肝臓に特異的に転移巣が認められ、髄芽腫においては髄膜播腫および血行性転移が高頻度に生じる可能性が示唆された。 次に原発巣の腫瘍組織と血液、脊髄、全身臓器(肝臓、肺)から腫瘍細胞を分離し、その後RNAを抽出し、原発巣と比して発現が上昇している分子をRNAシークエンスを用いて同定した。この解析で髄膜播種に関わる候補分子を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述の如く、昨年度は手術によって得られたヒト由来の髄芽腫細胞を免疫不全マウスの脳内へ移植し、髄膜播腫および血行性転移が比較的高頻度であることを示した。また次に髄膜播種に関わる候補分子をRNAシークエンスを用いて同定することが可能であった。現時点では当初の予定とほぼ同程度で研究が進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度同定した候補分子について、髄膜播種の治療標的分子になりうるかについての機能解析を行う予定である。具体的には標的分子の機能をblocking抗体やsiRNA,shRNAを用いて制御し、髄膜播種の頻度および生存期間の相違の有無の検討を髄芽腫のマウス脳内移植モデルを用いて行うこととしている。
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Causes of Carryover |
本年度は当初計画していた旅費の使用が他財源により支出可能であった。また研究試薬も一部他財源からの支出を行った結果、当初の計画よりも少ない額での使用となった。 次年度は他財源からの支出は難しくなることが予想されることから、当初の計画に沿った形で使用することを計画している。
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Research Products
(1 results)