2021 Fiscal Year Annual Research Report
エクソソーム内包タンパク活性化機構に着目した胆道がん併用療法の確立
Project/Area Number |
19K08365
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松田 康伸 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40334669)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高村 昌昭 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (20422602)
小林 隆 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40464010)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 胆管がん / エクソソーム / ゲムシタビン |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】胆道がんは、化学療法による延命治療が困難な悪性疾患である。本研究の目的は、胆道がんのエクソソームにおける抗がん剤耐性の可能性を探り、胆道がん治療に役立つ細胞情報シグナルがないかを解析し、見いだすことである。 【研究成果】 ①胆道がんエクソソームにおける抗がん剤耐性キナーゼの探索:TP53変異HuCCT1およびHuH28細胞を抗がん剤に曝露し、レシピエント細胞を馴化培地またはエクソソームに曝露した。 その結果、遺伝子毒性剤で処理された細胞からの馴化培地は、レシピエント細胞の増殖を促進し(p <0.05)、この効果はエクソソーム阻害剤によって無効になった。 さらに本研究では、様々なキナーゼ阻害税存在下でゲムシタビンまたはシスプラチンで処理した細胞からエクソソームを単離して、レシピエント細胞に添加して、再象増殖度を測定した。その結果、p38 MAPKシグナル伝達を介して細胞増殖を1.6-2.2倍(p <0.05)増加させることが明らかになった。 ②胆道がんエクソソームのp38MAPK機能の解析:上記のエクソソームの作用効果は、p38 MAPKの阻害/遺伝子サイレンシング (p38MAPK siRNA)によって阻害された。一方、siRNAを介したTP53遺伝子サイレンシングでは阻害されなかった。 【結論】 本研究により、エクソソームp38 MAPKは、TP53非依存性に腫瘍の再増殖において極めて重要な役割を果たすことが明らかになった(研究成果は、Anticancer Res 2022に論文発表した)。
|