2022 Fiscal Year Annual Research Report
非コードRNAの発現ネットワーク解析に基づく消化器癌病態の解明と診断治療への応用
Project/Area Number |
19K08372
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
井戸川 雅史 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (00404749)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非コードRNA / 癌 / non-coding RNA / ネットワーク解析 / RNA-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
長鎖非コードRNA(long non-coding RNA, lncRNA)が,癌などの疾患病態においても重要な役割を果たしていることが明らかとなりつつある.そこでまず,The Cancer Genome Atlas (TCGA)の消化器癌RNA-seqデータを用いて,長鎖非コードRNA(lncRNA)を含む遺伝子転写産物の発現量を定量した.このデータを用いて,各消化器癌組織において正常と比較して腫瘍で統計学的に有意に発現が上昇しているlncRNAを抽出した.また各lncRNAについて,生存情報を用いてKaplan-Meier法による解析を行い,低発現群と比べて高発現群で有意に生存率が低下しているlncRNAを同定した.以上の解析から得られた情報を組み合わせて,癌進展に寄与する可能性のある複数のlncRNAの抽出を行った.次に,これらのlncRNAそれぞれに対して2種類のsiRNAの設計を行った,このsiRNAを消化器癌細胞株に導入したところ,lncRNA発現のノックダウンが確認された.この条件下において癌細胞の増殖を定量したところ,複数のlncRNAでそのノックダウンにより有意に増殖の抑制が認められた.更にcaspase-3活性の測定によりアポトーシスを定量したところ,これらのlncRNAのノックダウンによりアポトーシスの増強が認められた.これらのlncRNAの中で強く増殖抑制やアポトーシス増強が認められたものについて,ノックダウン時の網羅的な遺伝子発現変化をRNAシーケンスを用いて解析したところ,p53の転写標的であるアポトーシス関連遺伝子の発現が有意に変化しており,これらを介して癌細胞の増殖・進展に寄与していることが示唆された.
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Multiomics identifies the link between intratumor steatosis and the exhausted tumor immune microenvironment in hepatocellular carcinoma2022
Author(s)
Murai H,Kodama T,Maesaka K,Tange S,Motooka D,Suzuki Y,Shigematsu Y,Inamura K,Mise Y,Saiura A,Ono Y,Takahashi Y,Kawasaki Y,Iino S,Kobayashi S,Idogawa M,Tokino T, et al.
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Journal Title
Hepatology
Volume: 77
Pages: 77~91
DOI
Peer Reviewed
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