2021 Fiscal Year Annual Research Report
Serrated polyposis症候群の原因遺伝子と発癌機序の解明
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19K08471
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡本 耕一 徳島大学, 病院, 講師 (60531374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 哲治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10284994)
中村 文香 徳島大学, 病院, 特任助教 (70793743)
六車 直樹 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 徳島大学専門研究員 (90325283)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 鋸歯状ポリポーシス症候群 / 腺腫 / メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年よりも更にSPS症例を集積し、鋸歯状ポリポーシス症候群(SPS)と診断した44症例を対象とした。男女比30:14、SPS診断時の年齢中央値 62.5歳。大腸癌を合併したSPS18症例22病変のうち、19病変に対し、RAS、BRAF、APC、β-catenin、p53遺伝子変異解析、MSI解析、免疫組織化学検査(p53、MLH1)を行った。SPSにおける大腸癌合併率は41%(18/44)であり、男女比12:6、大腸癌診断時の年齢中央値は62歳であった。adenomaの合併率は75%(33/44)、個数中央値は1であり、adenomaを有する症例では大腸癌の合併率が有意に高かった。癌組織の遺伝子解析では、4病変がserrated pathwayのMSS癌、1病変がMSI-H癌、11病変がadenoma-carcinoma sequenceによる発癌が強く示唆された。興味深いことにserrated-carcinoma pathwayから発癌した病変は80%が右側結腸癌であり、adenoma-carcinoma pathwayは78%が左側結腸癌であった。これらの結果は、SPSの左側及び右側結腸のSP、腺腫の発癌ポテンシャルが大きく異なることが想定される。また、serrated-carcinoma pathwayから発癌した病変は全例、SPS診断基準(1)であり、SPからのダイレクトな発癌経路が想定され、adenoma-carcinoma pathwayから発癌した病変の約8割は大腸全体に鋸歯状腫瘍を20個以上有するSPS診断基準(2)を満たしており、大腸粘膜自体の同時多発的なメチル化を背景として、腺腫から癌へと進展する新たな経路が想定された。
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Research Products
(2 results)