2021 Fiscal Year Research-status Report
心肥大及び心不全発症における、ねじれ運動制御機構の解明
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19K08578
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岡本 隆二 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (60378346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正明 三重大学, 医学系研究科, 学長 (00223181)
土肥 薫 三重大学, 医学系研究科, 教授 (50422837)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心肥大 / 心不全 / ねじれ運動 / ミオシン軽鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓特異的MYPT2ノックアウトマウス(≒ミオシン軽鎖脱リン酸化酵素ノックアウトマウス)は、MYPT2-floxマウスとαMHC-MerCreMerマウスとの交配で作成を行った。 タモキシフェンの量により心毒性を認めたため、最小限度の量に留める条件設定を慎重に行ない、30mg/kgX3回のプロトコールを採用した。 心臓特異的MYPT2ノックアウトマウスでは心筋ミオシンフォスファターゼの触媒サブユニットPP1が低下した。心臓特異的MYPT2KOマウスは、明らかな心機能の変化や形態変化を認めなかった。 野生型マウスおよび心臓特異的MYPT2ノックアウトマウスを用いて、片腎摘出後、アルドステロンの慢性投与を行い、圧及び容積負荷による心不全モデルを作成し、心肥大およびねじれ運動の解析を行った。 心臓特異的MYPT2ノックアウトマウスは野生型に比較し、心臓収縮能および拡張能が保たれ、組織学的にも心臓の線維化が抑制されていた。また負荷後、ミオシン軽鎖のリン酸化レベルは、野生型に比し上昇していた。現在ねじれ運動の解析を詳細に行い、各種パラメータと心臓の線維化に比例する項目を評価中である。 並行して、これまでの心筋および血管平滑筋におけるミオシン軽鎖のリン酸化・脱リン酸化の分子メカニズムと病態意義について、最近の業績と世界の研究の流れを振り返り、レビュー論文を発表した(2022 Hypertens Res)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
タモキシフェンの濃度設定に時間を要したが、以降は順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
近日データをまとめ学会発表を行い、論文発表する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:コロナ禍で学会発表を控えているのと、研究がやや遅れており、次年度の延長申請を行ったため。 使用計画:疾患モデルの作成や発現分子の解析に用いる消耗品の購入に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)