2019 Fiscal Year Research-status Report
肺線維化環境での免疫担当細胞のクロストークおよび加齢影響と治療応用についての研究
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19K08614
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
神尾 孝一郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (20465305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吾妻 安良太 日本医科大学, 医学部, 教授 (10184194)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 特発性肺線維症 / Macrophage polarization / MMP-13 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まずサイトカインと培養した骨髄細胞の抗線維化作用を再確認した。これまで確認した通り、骨髄細胞をIL-4で培養した所、ブレオマイシン誘発のマウス肺線維症は有意に抑制された。骨髄細胞をIL-4に加えてTGF-beta1と培養しても同様の結果が得られたが、IL-10との培養では、線維化の抑制効果は認められなかった。 本細胞のphenotypeをRT-PCRを用いて検討した。まずこの細胞はF4/80をマクロファージと同程度に発現していることが確認された。さらにこれらの細胞では、CD86は低下していたが、CD206、Ym-1、Arginase-IといったM2マクロファージのマーカーが増加しており、IL-4ならびにIL-4+TGF-beta 1で分化させた細胞は、M2-like マクロファージ様の細胞である事が示唆された。 これらの細胞を養子移入した後の細胞の分布を調べるために、GFPトランスジェニックマウスの骨髄細胞をIL-4などで分化させ養子移入し、肺内での分布を確認することを試みたが、養子移入後14日目にsacrificeした肺内では(ブレオマイシン投与後からは28日目)、GFP陽性細胞は確認することができなかった。さらにこれらの細胞から分泌される可能性のあるMMP-9の関与を免疫染色などで確認を試みたが、MMP-9陽性細胞の関与は確認できなかった。 RT-PCRを用いた検討で、これらの細胞が抗線維化作用を有するMMP-13を高く発現する事が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IL-4などで分化させた骨髄細胞は、M2-likeマクロファージである事が確認され、同細胞の抗線維化作用が確認されている。 さらに同細胞がMMP-13を高発現する事が確認されており、MMP-13の抗線維化作用が示唆される。
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Strategy for Future Research Activity |
尾静脈より養子移入したM2-like マクロファージの生体内での分布を詳細に検討するため、これらの細胞を標識し、IVISを用いた経時的な評価を予定している。 またこれらの細胞の抗線維化作用を確認するため、MMP-13ノックアウトマウスの骨髄細胞を用いて、抗線維化作用の評価を行う。
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Causes of Carryover |
本研究ではノックアウトマウスを多く使用する事を予定していますが、本年度はin vitroの実験が多くなった関係があります。また当初海外出張旅費を計上していましたが、日程的に都合がつかず、これらの使用が無かった事が挙げられます。 次年度はMMP-13ノックアウトマウスの購入を始め、IVISを用いた養子移入された細胞のtrackingなども予定されており、これらの実験に支出が予定されています。
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