2022 Fiscal Year Research-status Report
肺線維化環境での免疫担当細胞のクロストークおよび加齢影響と治療応用についての研究
Project/Area Number |
19K08614
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
神尾 孝一郎 日本医科大学, 医学部, 准教授 (20465305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吾妻 安良太 日本医科大学, 医学部, 教授 (10184194)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 特発性肺線維症 / Macrophage polarization / 制御性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
一昨年度までに、骨髄細胞の抗線維化作用が確認されており、骨髄細胞をIL-4あるいはIL-4+TGF-beta1で培養し、ブレオマイシン誘発肺線維症モデルマウスに投与すると肺線維化が有意に抑制されることが確認された。 本細胞のphenotypeをRT-PCRを用いて検討したところ、この細胞はF4/80をマクロファージと同程度に発現していることが確認された。さらにこれらの細胞では、CD86は低下していたが、CD206、Ym-1、Arginase-IといったM2マクロファージのマーカーが増加しており、IL-4ならびにIL-4+TGF-beta 1で分化させた細胞は、M2-like マクロファージである事が示唆された。 これらの細胞を養子移入した後の細胞の分布を調べるために、GFPトランスジェニックマウスの骨髄細胞をIL-4などで分化させ養子移入し、肺内での分布を確認することを試みたが、養子移入後14日目にsacrificeした肺内では(ブレオマイシン投与後からは28日目)、GFP陽性細胞は確認することができなかった。 またこれらの細胞から分泌される可能性のあるMMP-9を免疫染色などで確認を試みたが、MMP-9陽性細胞の存在は確認できなかった。 われわれの教室では、これまで制御性T細胞(regulatory T cells; Tregs)による抗線維化作用を報告しているが、腎臓の線維化病態では、M2マクロファージによるTregの誘導を介した病態の改善効果が報告されている。このため骨髄細胞をIL-4と共培養しM2-likeマクロファージを作成し、脾臓より抽出したCD4陽性リンパ球と共培養した。しかしながら期待されるようなTregsへの分化誘導は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年夏季の新型コロナウイルス感染症の第7波では当科職員にも少なからぬ感染者が発生し、その度に研究の中断を余儀なくされました。特にマウスを用いた1~2か月を1クールとした実験になりますので、その影響は甚大でした。病床の逼迫などもあり、呼吸器内科医としての業務負担が増加したこととも併せて、研究の進捗が遅延した要因と考えられます。
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Strategy for Future Research Activity |
われわれが同定したM2-likeマクロファージの網羅的な遺伝子発現解析で、本細胞が有する抗線維化作用との関連が予想される蛋白が同定されました。今後はこの分子との関連を明らかにしていく予定です。
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Causes of Carryover |
進捗状況にも記載させて頂きましたが、昨夏の新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を少なからず受けました。また予定していた海外の学会での発表も、新型コロナウイルス感染症の影響で見合わせる事になったため、その経費の支出が無くなったことも理由として挙げられます。 本研究で得られた細胞の抗線維化作用との関連が予想される蛋白が同定されましたので、その機能解析のために研究費を使用させて頂きます。
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