2021 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージの低酸素センサーPHDを標的とした腎疾患新規治療の開発
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19K08711
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
川上 貴久 杏林大学, 医学部, 講師 (10722093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
要 伸也 杏林大学, 医学部, 教授 (60224581)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マクロファージ / 炎症 / 慢性腎臓病 |
Outline of Annual Research Achievements |
低酸素センサーであるPHD(Proryl Hydroxylase Domain:プロリル水酸化酵素領域)の1~3の 全てがマクロファージだけで欠失している特異的ノックアウトマウスは,急性炎症のモデル であるリポ多糖体(LPS)を腹腔内に投与するモデルでの致死率が低下する機序の解明を進め た.生体内のマクロファージを探索するため,特異的ノックアウトマウスとそのコントロールのマウスから,LPS投与前と投与2時間後の肝臓のマクロファージをフローサイトメトリーで単離し,マイクロアレイでトランスクリプトーム解析を行った.ノックアウトマウスのマクロファージでは解糖系関連遺伝子やVEGFなど低酸素誘導因子の標的遺伝子の発現の亢進を認めた.また,ノックアウトマウスのマクロファージでは炎症性サイトカイン・ケモカインのmRNAの発現低下を認め,これがLPS投与時の致死率の低下に繋がるものと考えられた.他にマクロファージの分化や炎症に関与する転写因子でも差を認めるものがあり,それらが炎症性メディエーターの発現に差を生じさせていると考えられた.また,同マウスを用い,慢性腎臓病モデルであるアデニン投与モデルを作成し解析したところ,腎機能,組織障害,炎症マーカー,線維化などで有意な差は認められなかった.
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