2019 Fiscal Year Research-status Report
骨髄増殖性腫瘍とその二次性白血病におけるinitiating変異の同定と機能解析
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19K08835
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
牛島 洋子 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60755552)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 骨髄増殖性腫瘍 / 急性骨髄性白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨髄増殖性腫瘍(MPN)から転化した二次性急性骨髄性白血病(sAML)における経時的遺伝子変異解析から、MPNとsAMLとが共通して有するinitiating変異の候補とした、3つの遺伝子、zinc finger protein 143(ZNF143)、SWI/SNF-related, matrix-associated, actin-dependent regulator of chromatin, subfamily c(SMARCC2)およびubiquitin protein ligase E3 component N-recognin 4(UBR4)について、次世代シーケンシング(NGS)による3遺伝子の全エクソンDNAシークエンス解析系の確立を試みた。 ZNF143およびSMARCC2では全エクソン、UBR4では106エクソンのうち102エクソン、また、MPNにおけるドライバー変異であるJAK2、CALR、および、MPLの各変異を解析対象としたDNAシーケンス解析系を確立した。臨床検体の集積においては、新たなMPN症例10例に加え、新たなsAML検体も集積された。確立したDNAシーケンス解析系を用い、これら臨床検体においてMPNまたはsAML症例61例、76検体について解析を行っており、さらに解析を継続している。また、ドライバー変異であるJAK2、CALR、または、MPL変異については、いずれの変異も検出されない既知のドライバー変異陰性MPNと考えられる検体も認められた。 臨床検体における遺伝子変異解析とともに変異遺伝子の機能解析を進める計画であったが、前者が計画よりも早期に進行しており、解析結果から機能解析の対象とする遺伝子変異の再検討を行っている。今後、臨床検体での変異解析を進めるとともに、解析の対象として選択した変異遺伝子の機能解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床検体の集積は計画通り、また、多数の臨床検体における遺伝子変異の検討は計画よりも早期に進行している。変異遺伝子の機能解析については、臨床検体における蛋白発現の評価、変異遺伝子発現細胞株の作製について計画よりも遅れがみられている。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床検体での遺伝子変異解析を進める。また、新たなsAML検体が集積された場合には解析対象として追加することを検討する。 多数の臨床検体での遺伝子変異の検討が当初の計画よりも早期に進行したことで、initiating変異候補とした3遺伝子変異の臨床検体での普遍性についてある程度推測できる状況となっており、対象を絞って変異遺伝子機能解析を進めることを予定している。
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Causes of Carryover |
次世代シーケンサー関連および核酸抽出・PCR関連物品についてはほぼ計画に沿って購入された一方、ウェスタンブロッティングおよび免疫蛍光染色関連物品については計画よりも少額であったため次年度使用額が生じた。次年度に、今年度未購入であった上記物品について次年度予定分と合わせて購入し、当該実験を進める予定である。
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