2020 Fiscal Year Research-status Report
Search into the mechanism of B7-H3 expressing MDSC generation by liposome and its T cell suppression
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19K08854
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
東 寛 旭川医科大学, 医学部, 特命教授 (00167909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥海 尚久 旭川医科大学, 医学部, 助教 (30516399)
長森 恒久 旭川医科大学, 医学部, 助教 (40400098)
更科 岳大 旭川医科大学, 医学部, 助教 (40431407)
酒井 宏水 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70318830)
吉田 陽一郎 旭川医科大学, 大学病院, 医員 (80750306)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | MDSC / B7-H3 / liposome / fatty acid / NFkB / macrophage / micro vesicle / ER stress |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットにある種のリポソームと投与すると、脾臓にT細胞の増殖を強力に抑制する細胞が出現する事を報告している。この細胞は、リポソームを捕捉したマクロ ファージである。今までの解析では、T細胞の増殖抑制には、ceell-to-cell contatが必要、直接のエフェクターがnitric oxideであることが示唆されており、 いわゆるmyeloid derived suppressor cell (MDSC)と類似の細胞とみなす事ができる。我々は、この細胞の表面にB7-H3分子が発現している事を見出していた。 2019年度は、recombinant B7-H3(Fc Tag)を用いて、B7-H3分子のブロッキングを行なったが、T細胞増殖抑制の解除を認めなかった。しかし、2020年度において、磁気ビーズを用いてB7-H3陽性細胞の除去を試みたところ、T細胞増殖抑制が解除することを確認することができた。また、NFkB signalng pathwayについても、リポソーム投与後に出現すB7-H3陽性マクロファージ分画では、Ikbaのシグナルが明らかに減少している事を再現性を持って確認することができた。これらの事から、1)リポソームを捕捉した脾マクロファージがB7-H3陽性細胞となり、その細胞がT細胞増殖抑制効果を獲得する、2) その際にNFkB signalng pathwayの活性化が何らかの役割をになっている可能性があると結論付けた。 これらの成果と、異なる組成のリポソームによる脾T細胞増殖抑制効果を検討した実験結果から、リポソームの構成成分である長鎖脂肪酸の細胞内への蓄積がimmunosuppressive macrophage(MDSC様細胞)の誘導に関与している可能性を論じて、論文化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
B7-H3がT細胞増殖抑制効果に直接的に関するしているのか否かは、不明のままとなっているが、リポソームを投与後に脾内に誘導されてくるimmunosuppressvie cellが、リポソームを捕捉し、B7-H3分子を発現したマクロファージである事、その細胞においてNFkB signaling pathwayが活性化している事を再現性を持って示す事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度において、マウスマクロファージ細胞株が、リポソームの捕捉を捕捉する状況を観察する実験系を確立することができたので、この系を用いて、リポソーム粒子がマクロファージに取り込まれる機序について検討する。また、リポソーム粒子を捕捉したマクロファージ内でNFkB signaling pathwayが活性化に至る経路についても検討する。
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Causes of Carryover |
今年度は、成果を論文にする為の確認実験に多くの時間を費やした。確認実験の為に必要な試薬等は、既に購入したもので概ね足りていたことから、試薬の購入費用が予定していたよりも少なかった。 また、ラットをからマクロファージ細胞株を用いた実験系の構築も予定より速やかに進んだ。 来年度は、新しく確立したマクロファージ細胞株を用いた実験を推し進めてゆくので、残った研究費はそのための試薬の購入に当てる予定である。
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