2021 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-1のシェーグレン症候群病態形成への直接的関与
Project/Area Number |
19K08884
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中村 英樹 日本大学, 医学部, 教授 (10437832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 俊匡 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (40770467)
川上 純 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (90325639)
高谷 亜由子 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (90821380)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | シェーグレン症候群 / HTLV-1 / 濾胞性樹状細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
シェーグレン症候群(以下SS)は涙腺・唾液腺など外分泌腺障害や抗Ro/SS-A抗体などの自己抗体が出現する自己免疫疾患である。Human T-cell leukemia virus type 1 (HTLV-1)とSSの疫学的な関連が示唆されており、HTLV-1関連脊髄症(HAM)には高率にSSが合併する。SSでは抗Ro/SS-A抗体が70-80%にみられるものの、HAMに合併したSSではその陽性率が3割ほどに低下する。自己抗体産生の場として、濾胞性樹状細胞(FDC)や濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh)とB細胞が作用することにより、記憶B細胞や自己抗体産生形質細胞の分化が誘導される。HAMでは唾液腺内の二次濾胞形成が阻害されているため、HTLV-1がCXCL13やBAFFの発現や分泌、あるいはFDC自体へどのような影響を与えるかを検討することを目的とした。HCT-5/MT-2との接触共培養を行うと細胞質内のCXCL13とBAFF発現は著明に抑制されFDC-like cellsの峡細化が確認された。FDC-like cellsにHCT-5/MT-2を添加するとIFNで増加したBAFFは減少傾向を示した。BAFF/CXCL13濃度はいずれも抗HTLV-1抗体陽性SSでは、抗体陰性SSより低い傾向を示した。SSにおける自己抗体産生系の中でもGC内では上流に位置すると思われるFDC-like cellsのはたらきが、HTLV-1感染細胞による直接作用によって阻害され、少なくとも細胞内のCXCL13/BAFFとBAFF分泌が抑制されている結果が得られた。抗HTLV-1抗体陽性SSにおける抗Ro/SS-A抗体出現頻度の低さが、FDC-like cellの抑制による可能性が示唆された。
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[Journal Article] Effectiveness and safety of non-tumor necrosis factor inhibitor therapy for anti-human T-cell leukemia virus type 1 antibody-positive rheumatoid arthritis.2021
Author(s)
Endo Y, Fukui S, Umekita K, Suzuki T, Miyamoto J, Morimoto S, Shimizu T, Koga T, Kawashiri SY, Iwamoto N, Ichinose K, Tamai M, Origuchi T, Okada A, Fujikawa K, Mizokami A, Matsuoka N, Aramaki T, Ueki Y, Eguchi K, Kariya Y, Hashiba Y, Hidaka T, Okayama A, Kawakami A, Nakamura H.
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Journal Title
Mod Rheumatol.
Volume: 31
Pages: 972-978
DOI
Peer Reviewed
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