2019 Fiscal Year Research-status Report
飽食シグナルとして機能する新規生理活性物質の同定と作用機構の解明
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19K09039
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
吉田 守克 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 上級研究員 (70393212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮里 幹也 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (50291183)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生理活性物質 / オーファン受容体 / 摂食 / エネルギー代謝 / 内分泌 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳視床下部には、摂食行動やエネルギー代謝調節を制御する重要な神経核が存在し、多くの生理活性物質とその受容体が機能制御に関与する。これまで申請者の所属研究室では、グレリンの発見やニューロメジンU(NMU)、ニューロメジンS(NMS)の同定に成功している。グレリンは強力な摂食亢進作用を有することが明らかとなり、NMUとNMSは摂食抑制物質であり、エネルギー消費の亢進をもたらす異化シグナルとして機能する。これらのペプチドだけでなく、摂食・エネルギー代謝を制御する因子の受容体の多くはGタンパク質共役型受容体であり、リガンド不明なオーファン受容体が数多く残されているため、未知の生理活性物質の存在が示唆されている。申請者は現在、摂食・エネルギー代謝調節に関与するが、オーファン受容体であるGPCR-Xの内因性リガンド候補の単離に成功し、構造解析を進めている。本研究ではGPCR-Xの内因性リガンドを同定し、細胞や個体レベルでの機能解析を行うことにより、新たな飽食制御機構の解明を目的とする。 GPCR-Xの内因性リガンドの組織含有量は非常に少なく、構造決定するために活性物質の大量精製が必要となる。今年度は含有量の高い組織の探索を進めたものの、大量精製可能な組織を見出すことはできなかった。また、GPCR-Xの内因性リガンド候補の生合成経路に関わる物質を特定できれば、大量精製しなくても活性物質を同定できると考え、関連物質の探索を実施した。その結果、GPCR-Xリガンド候補とは異なる画分に受容体特異的なCa2+上昇活性の検出に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は所属機関の移転があり、移転準備と移転後のセットアップに追われた。そのため、研究を実施した期間が想定以上に短くなり、当初の計画よりやや遅れている。具体的には以下の計画が遅れている。 1) GPCR-Xリガンド候補の含有量の高い組織の検索 2) GPCR-Xリガンド候補に関連する物質の精製、構造決定
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの影響により、研究全般の進行が遅れることが予想される。とくに、実験動物の大量購入は困難な状況にある。そのため、実験動物組織に代わるリガンドソース(培養細胞など)を検討する。通常実験環境に復帰次第、実験動物を購入し、GPCR-Xリガンド候補の含有量の高い組織を検索する。また、収量の低い要因のひとつとして、活性物質の物性(吸着、熱安定性など)に着目している。今後、界面活性剤などを活用した高収率な抽出法を検討することにより、GPCR-Xリガンド候補の大量精製を目指す。 GPCR-Xリガンド候補と異なる画分に検出されたCa2+上昇活性について、活性を指標にイオン交換、逆相HPLC(現有設備)を組み合わせて精製・単離を行い、GPCR-Xリガンド候補との関連を検証する。
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Causes of Carryover |
2019年度は所属機関の移転があり、移転後は所属研究室のセットアップに追われた。その結果、研究実施期間が想定以上に短くなり、当初の計画よりやや遅れが生じたため、次年度使用額が生じた。具体的には、①GPCR-Xリガンド候補の含有量の高い組織の検索、②GPCR-Xリガンド候補に関連する物質の精製、構造決定についての研究の推進に遅滞が生じている。今後、これら実験計画に関する消耗品費、動物購入費、研究補助者のための人件費に充当する予定である。
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