2019 Fiscal Year Research-status Report
プロトンポンプを標的とした乳癌の新規分子標的治療薬の開発とタキサン耐性の克服
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19K09080
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
遠藤 友美 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (20566228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 竜也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30315882)
近藤 直人 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (90529166)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 乳癌 / 薬剤耐性 / プロトンポンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちは、これまでの次世代シーケンサーを用いた一連の研究で、乳がんのキードラッグであるタキサン系薬剤抵抗性に関与すると考えられる、ATP6V1A遺伝子を見出した。AT66V1AはV-ATPaseというプロトンポンプのサブユニットの一つを構成する遺伝子である。本研究では、このATP6V1Aを治療標的とし、乳がんの浸潤・転移抑制を目指した新規治療薬の開発を目的としている。 2000年から2007年に名古屋市立大学病院にて手術を施行した443例の凍結乳癌組織からTotal RNAを抽出し、ATP6V1A発現と予後について検討した。Kaplan-Meire解析では、ATP6V1A高発現の乳がん症例は、Disease-free survival (DFS) (P = 0.004)が良好であったが、Overall survival (P = 0.54)では有意な差は認めなかった。また、Cox比例ハザードモデルを使用した多変量解析において、ATP6V1A発現は、リンパ節転移の個数、エストロゲン受容体の発現状況とともに、DFSにおける有意な予後因子であった(HR 2.336, 95%CI 1.40-3.76, P = 0.017)。 乳癌細胞株を用いた検討では、複数の乳がん細胞株にてATP6V1A発現を検討した。検討した乳がん細胞株の中では、T47Dが最もATP6V1A発現が高値であった。 乳がん細胞株T47Dを用いて、ATP6V1Aノックダウンの影響を検討した。T47DにATP6V1AのsiRNA試薬を導入し、容量依存性にATP6V1A発現が低下することを確認した。現在MTT assay、WST-1 assayを行い、ATP6V1Aノックダウンにおける乳がん細胞株の増殖抑制効果について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞株を用いた実験において、ATP6V1Aノックダウンが確認された。現在ATP6V1Aノックダウンが細胞増殖に与える影響を確認中であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
ATP6V1Aのノックダウンによって現在細胞増殖能に与える影響を検討中だが、今後は浸潤能、遊走能に与える影響を検討予定である。また、異なる細胞株でも同様の検討を行う。また、タキサンを加えた場合も検討し、タキサン系薬剤の治療効果も検討予定である。
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Causes of Carryover |
実験試薬、細胞株購入を実験経過に合わせておこなった結果次年度使用額が生じた。今後も乳がん増殖能、遊走能を検討するAssay試薬や異なる乳がん細胞株、乳がん治療薬も必要となるため、実験経過に合わせて購入予定である。
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