2020 Fiscal Year Research-status Report
プロトンポンプを標的とした乳癌の新規分子標的治療薬の開発とタキサン耐性の克服
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19K09080
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
遠藤 友美 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (20566228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 竜也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30315882)
近藤 直人 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (90529166)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 乳がん / 薬物耐性 / プロトンポンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちはこれまでの次世代シーケンサーを用いた一連の研究で、乳癌のキードラッグであるタキサン系薬剤抵抗性に関与すると考えられる、ATP6V1A遺伝子を見出した。ATP6V1AはV-ATPaseというプロトンポンプを構成する、サブユニットの一つをコードする遺伝子である。本研究ではこのATP6V1Aを治療標的とし、乳癌の増殖抑制を目指した新規治療薬の開発を目的としている。 前年度までに乳癌細胞株であるMCF7、T-47Dを用いた検討で、ATP6V1AのsiRNAを行い、siRNAによってATP61Aがノックダウンされることを確認した。本年度は、乳癌細胞株、T-47Dを用いて、ATP6V1Aをノックダウンすることで、増殖能に変化が生じるかどうか検討を行った。WST-1 assayを用いた検討で、Negative control 10pmol、ATP6V1AのsiRNA 1pmol, 10pmol, 100pmolで検討を行った。ノックダウンを行ってから、48時間、96時間後にWST-1assayをマイクロプレートリーダにて行った。ATP6V1Aが低発現の細胞株ほど増殖能が容量依存的に低下した。経時的にもその傾向は変わらなかった。しかし、有意な差ではなかった。現在はタキサン系薬剤を添加して増殖能に変化が生じるかどうかの影響を検討中である。 また、ATP6V1AのmRNA発現について症例を増やして検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞実験において、細胞が期待通り増えない状況に陥り、原因究明に時間を要した。現在は解決している。 また、マイクロプレートリーダーの故障、買い替え等あり、実験再開までに時間を要することがあった。 新型コロナウイルスの影響で、試薬の納入遅れがあった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は同様にT-47Dに対してATP6V1Aのノックダウンを行い、浸潤能や遊走能に対する影響や薬物耐性に関する影響を検討する。 他の細胞株を使って同じように検討する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で、試薬の納入が遅れ、実験が滞ったため。
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