2021 Fiscal Year Annual Research Report
ヒルシュスプルング病における腸管壁内神経節細胞局在の二光子レーザー顕微鏡観察研究
Project/Area Number |
19K09091
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
内田 恵一 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (30293781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 勇樹 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (10555551)
井上 幹大 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (30422835)
松下 航平 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (70750777)
溝口 明 三重大学, 医学系研究科, 産学官連携講座教授 (90181916)
楠 正人 三重大学, 医学系研究科, 寄附講座大学教員 (50192026) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ヒルシュスプルング病 / 二光子レーザー顕微鏡 / 神経節細胞 / 外科手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
Hirschsprung病は先天的な腸管神経節細胞の欠損が病因として判明している。治療としては経肛門的腸管切除術(経肛門大腸Pull through)を要するが、正確な正常神経節腸管の肛門への引きおろしが患児の一生の排便機能に影響する。この手術の際は、肉眼的な判断で、無神経節腸管が神経節細胞の存在する正常神経節腸管へ完全に移行する領域において、腸管の2箇所を全層生検し術中迅速病理診断を行う必要があるが、腸管神経節細胞の存在が不規則な場合があり、切除ラインの決定などが未だ曖昧なものである。 この研究の目的は、二光子レーザー顕微鏡により、腸管漿膜面から腸管神経節細胞の同定が可能かどうかを検討するものである。この検討により同顕微鏡で腸管神経節細胞の局在などが確認できることが証明されると、術中に腸管漿膜面からの神経節細胞の確認が可能となるため、大幅な手術時間の短縮が得られるだけでなく、確実な切除ラインの決定により、再手術症例の減少や術後排便障害などの合併症の発症を軽減できる可能性がある。 当研究では、まず通常の手術時に切除される腸管(一部神経節細胞を含む腸管あり)を用いて、二光子レーザー顕微鏡により漿膜面から、腸管筋層内に存在するAuerbach’s plexus(筋間神経叢)と神経節細胞が同定可能かどうかを検討する。また同顕微鏡により、切除腸管における腸管神経節細胞の局在や分布範囲(特にCaliber change付近の移行帯など)を全周に渡って、詳細に検討を行う。 切除標本を用いての二光子レーザー顕微鏡と通常の病理組織診断による比較検討を数例施行し、特徴的な、肛門測の無神経節腸管から、移行部、正常神経節腸管の、連続的な変化がとらえられている。腸間膜側が腸間膜対側より無神経節の部位が長く、腸管全周を見ると同じレベルでは不均一であり、切除ラインの決定に重要な所見が発見されている。
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