2021 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌肝転移における直腸間膜リンパ節転移を経由した新たな転移経路の解明
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19K09116
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中野 雅人 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70744788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 能史 新潟大学, 医歯学系, 講師 (20706460)
亀山 仁史 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40626420)
若井 俊文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50372470)
西野 幸治 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (70447598)
榎本 隆之 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90283754)
吉原 弘祐 新潟大学, 医歯学系, 研究准教授 (40547535)
田中 花菜 新潟大学, 医歯学総合病院, レジデント (60745579) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / 血行性肝転移 / 直腸間膜リンパ節転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣癌の肝転移には、腹膜播種由来の肝転移、および血行性由来の肝転移が存在する。申請者らは、「卵巣癌の血行性由来の肝転移形成機序には、直腸間膜リンパ節に転移した卵巣癌組織が、リンパ節を栄養する静脈内へ至り、門脈を経由して肝転移を形成する転移経路(“門脈経由の肝転移”)が存在する」との仮説を立て、本研究を立案した。 2013年12月から2019年5月の間に手術を施行されたStageⅡ-Ⅳ卵巣癌症例85例を対象とした(直腸合併切除が27例、非合併切除が58例)。各臨床病理学的因子(直腸浸潤の有無、直腸間膜リンパ節転移の有無含む)が、無増悪生存率に与える影響について、単変量・多変量解析を行った。また、術後の遠隔転移の形式に関しても検討を行った。観察期間中央値は28ヶ月であった。 結果は以下の通りである。病理学的な直腸間膜リンパ節転移を14例に認めた。無増悪生存率に関する単変量解析では、直腸間膜リンパ節径、腹水洗浄細胞診、直腸間膜リンパ節転移ありが有意な予後不良因子であった。多変量解析では、直腸間膜リンパ節ありが独立した予後不良因子の一つであった。術後の遠隔転移は35例に認めた。直腸間膜リンパ節あり群となし群で比較すると、直腸間膜リンパ節転移あり群では、肝転移が有意に多かった。一方、腹膜播種・リンパ節転移・肺転移・脾転移は、直腸間膜リンパ節あり群となし群で有意差を認めなかった。肝転移をCT画像所見から血行性肝転移と播種性肝転移とに分類すると、術後の血行性肝転移は、直腸間膜リンパ節あり群で有意に多かった。一方、播種性肝転移は、直腸間膜リンパ節あり群となし群で有意差を認めなかった。 以上より、卵巣癌直腸浸潤における直腸間膜リンパ節転移は独立した予後不良因子の一つであること、さらに、卵巣癌直腸浸潤における直腸間膜リンパ節転移は、門脈を介した術後の血行性肝転移を予測する因子であることが示された。
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