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2019 Fiscal Year Research-status Report

胃癌腹膜播種における脂質代謝変容の解明と標的治療への応用

Research Project

Project/Area Number 19K09166
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

木下 淳  金沢大学, 附属病院, 助教 (90584855)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 原田 真市  金沢大学, 医学系, 准教授 (90272955)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords胃癌 / 腹膜播種 / 脂肪β酸化 / CD36
Outline of Annual Research Achievements

胃癌腹膜播種は原発巣から遊離した癌細胞が腹膜下の脂肪組織に浸潤し播種が進展することから、胃癌細胞と脂肪細胞の間には何らかの相互作用が働いている可能性が高い。これまで癌細胞を取り巻く栄養環境は、Warburg効果に代表されるように解糖系によるATP産生が主要であると考えられていた。ところが、近年、高転移能、幹細胞性を示す癌細胞の中で、脂肪酸をエネルギー源とするmetabolic reprogramingを示す癌細胞が存在し、これらの細胞の一部に脂肪酸受容体であるCD36の高発現が認められることが明らかになった。胃癌を含む消化器悪性腫瘍では、CD36-β酸化系が細胞特性に与える影響はいまだ不明である。本研究では、肥満細胞との相互作用に着目し、胃癌細胞のCD36発現状況とCD36-β酸化による細胞内代謝が、腹膜播種の成立、進展に及ぼすメカニズムを解析し、代謝変容を標的とした新規治療の可能性を検討する。
本年度は、胃癌原発巣と転移巣の切除標本における胃癌細胞のCD36受容体の発現状況をIHCにて確認した。その結果、腹膜転移巣は原発巣や肝転移、リンパ節転移巣に比較し、CD36発現が高頻度であり、腹膜転移症例においてCD36高発現群は低発現群に比較し有意に予後不良であることを確認した。
さらに胃癌細胞株(MKN45、NUGC4、MKN74、OCUM-2MD3)におけるCD36発現をFACSにて解析した結果、その発現頻度はMKN45: 3.27%、NUGC4: 2.40%、MKN74: 0.53%、OCUM-2MD3: 1.51% であった。no glucose、no glutamine、低酸素環境の各種条件で細胞培養し、パルミチン酸を添加した結果、低酸素環境でのパルミチン酸刺激が最もCD36発現(17.3%)が亢進することが判明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度はCD36受容体が胃癌細胞に発現し、腹膜転移巣における発現頻度が高く、さらにCD36発現が生存期間と相関することを明らかにした。これらの結果は、CD36を介する脂肪β酸化が腹膜播種の進展に関与する事を示す根拠になると考える。
さらに in vitroにおいて低酸素環境がCD36発現に関与することを明らかにできた。

Strategy for Future Research Activity

通常の胃癌細胞株ではCD36発現が3%前後と低頻度であるため、現在、トランスフェクションによる遺伝子導入にてCD36を強制発現させる胃癌細胞株を作製中である。
今後CD36(+)胃癌細胞を用い、低酸素やFA刺激によるβ酸化の亢進の有無、関連遺伝子の発現状況や、胃癌細胞の運動能、幹細胞性に与える影響を検討する。
また、high fat dietを投与したヌードマウスにCD36(+)胃癌細胞を腹腔内接種し、腹膜播種の形成能等を評価する予定である。

Causes of Carryover

今年度は、実験計画が予定よりも軽度遅延したため、次年度に今年度実施予定であった抗体、試薬等の購入を行うため

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Published: 2021-01-27  

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