2021 Fiscal Year Research-status Report
胃癌腹膜播種における脂質代謝変容の解明と標的治療への応用
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19K09166
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
木下 淳 金沢大学, 医学系, 准教授 (90584855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 真市 金沢大学, 医学系, 准教授 (90272955)
伏田 幸夫 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (10301194)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CD36 / 胃癌 / 低酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の検討では、migration assayおよびinvasion assayにおいて、低酸素環境下で0.1mMパルミチン酸を添加することにより CD36を強制発現させたMKN45(MKN45-CD36)細胞の遊走能、浸潤能が亢進することが明らかになった。このため細胞形態形成や運動性を制御するシグナル伝達の中心的な役割を担う低分子量GTP結合蛋白質RhoファミリーであるRac1,Cdc42の発現をRac1/Cdc42 Activation Assay Kit を用い検討した。その結果、MKN45-CD36細胞では、0.1mM パルミチン酸の負荷により活性化Cdc42、Rac1の発現が共に亢進し、100uM etomoxirによって発現が抑制されることを確認した。一方でMKN45-mockではこれらの変化は確認されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は概ね順調に進展している。現在、検証実験を行うと共に論文投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
低酸素が胃癌細胞のCD36発現を亢進し、浸潤能や遊走能が亢進することを明らかにした。今後は、低酸素状態における遊離脂肪酸の細胞内の代謝経路を明らかにし、律速酵素、蛋白を同定することで、それらを阻害する新規治療の開発を目指す。
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Causes of Carryover |
予定された研究は概ね終了したが、論文掲載までに至らなかった。現在、論文投稿準備中であり、論文校正、掲載にかかる経費を次年度に使用予定である。また、コロナ渦の影響により学術集会への参加が不可能であったが、次年度は感染状況を注視しながら、本研究成果を積極的に国内、国際学会で発信する予定であるため、出張費用として計上する予定である。
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