2020 Fiscal Year Research-status Report
T細胞不活化経路をターゲットとした腫瘍免疫療法と抗腫瘍薬を併用した新規治療の開発
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19K09203
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
北東 大督 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70526821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野見 武男 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (50570991)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | T細胞不活化経路 / HVEM / 大腸癌肝転移 / 肝細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度に予定していた、大腸癌肝転移、肝細胞癌の臨床データの集積、および免疫染色のための標本収集は予定通り終了した。切除標本のHVEMの免疫染色、および腫瘍内浸潤リンパ球の免疫染色を施行し、仮設の通りに予後に有意差がでることを確認した。さらに抗腫瘍効果を検索するためのin vitro, in vivoでの実験モデルの確立についての検討を施行した。in vitroのレベルにおいては、HVEM制御による抗腫瘍効果を確認することができたものの、それをin vivoにおいて証明する結果はまだ得られていない。HVEMノックアウトマウスの作成が難しく、現在検討を重ね、実験モデルの確立を急いでいるところである。 一方で、免疫染色でHVEM高発現群の予後が不良であることは肝細胞癌、大腸癌肝転移にて明らかであり、腫瘍内浸潤リンパ球との関連も認められた。これらの成果については国際学会(国際肝胆膵外科学会)にて発表し、さらに論文化も行った(Annals of Surgical Oncology, IF 4.061)。さらに、今回集積したデータベースにおいて、別の検討についても行った。CD200発現の有無による予後への影響、および腫瘍内浸潤リンパ球(CD4+、CD8+、CD45RO+)についての検討を追加した。こちらについては共同研究者が結果をまとめ、論文発表(Annals of Surgical Oncology, IF 4.061)、論文投稿している。 今後は動物モデルの確立を急ぎ、実験を行う予定である。さらに集積したデータを用いて臨床研究を行い、成果を発表していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床データの収集、標本の収集、データ整理、免疫染色については予定通り進んでいる。さらにin vitroの実験においては当初想定された結果が得られている。 in vivoモデルの確立と結果の解析を行うことが今後の目標である。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroでみられたHVEMブロックによる抗腫瘍効果をin vivoで証明することが難しい状況であり、まずはこちらの確立が急務である。そのうえで抗がん剤との抗腫瘍効果の相乗効果を確認していく予定である。
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Research Products
(9 results)