2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K09285
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
宗 淳一 近畿大学, 医学部, 准教授 (90559890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 秀太 岡山大学, 大学病院, 准教授 (10372111)
豊岡 伸一 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30397880)
山本 寛斉 岡山大学, 大学病院, 助教 (40467733)
阪口 政清 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70379840)
光冨 徹哉 近畿大学, 医学部, 教授 (70209807)
須田 健一 近畿大学, 医学部, 講師 (30631593)
諏澤 憲 岡山大学, 大学病院, 助教 (90839713)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | HER異常 / 肺がん / 乳がん / 胃がん |
Outline of Annual Research Achievements |
HER2変異・増幅に代表されるHER2異常の肺癌における頻度は5%程度であり、EGFR標的療法の獲得耐性の一因としてもHER2異常は注目されている。HER2異常肺癌へのHER2標的療法は、先行研究でその有効性が示唆されており、個別化治療として期待されるが、肺癌に対するHER2標的療法は適応外であり、対策が遅れている。ただ、多岐にわたるHER2異常スペクトル別にHER2標的薬の感受性が異なること、他の分子標的薬と同様にHER2標的薬への獲得耐性が生じること、が予想されている。本研究では、多岐にわたるHER2異常スペクトル別にHER2標的薬の効果とその獲得耐性の克服を検討することで、HER2異常肺癌に対するプレシジョン・メディシンの確立を目指した基礎的検討を実施する。具体的には、「#1. HER2 異常タイプ別のHER2 標的薬の効果の検討」「#2. HER2 標的薬耐性細胞株の樹立とオミックス解析による耐性機序の解明」「#3. 獲得耐性例の治療法および耐性例出現の抑制法の開発」を行う。 これまで複数のHER標的薬について、肺癌・乳癌・胃癌のHER2異常細胞株を用いて、in vitro, in vivoにその効果を検討するとともに、長期暴露による薬剤耐性株を樹立し、耐性化の機序の解明と耐性株の治療法の開発を行い、複数の報告を行っている。今後は、新たなHER異常スペクトルそれぞれについて遺伝子異常を導入した細胞株を樹立し、HER2標的薬の効果と耐性化の機序と克服の検討を続けるとともに、耐性化出現の抑制法の開発に取り組む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、HER2標的薬として、afatinib, neratinib, poziotinibなどについて、肺癌・胃癌・乳癌細胞株を用いた検討を行った(Koga et al., Lung Cancer 2018, Yoshioka et al., Cancer Sci 2019, Ogoshi et al., Oncology Let 2019, Takeda et al., Cancer Sci 2019)。さらには、これらの標的薬を感受性のある細胞株に長期暴露することで薬剤耐性株を樹立し、耐性化の機序を検討し、Yes1(neratinib耐性HER2異常肺癌・乳癌細胞株)、MET・AXL(afatinib耐性HER2異常胃癌細胞株)を耐性化関連分子として同定し、報告している(Yoshioka et al., Cancer Sci 2019,Takeda et al., Cancer Sci 2019)。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、HER2異常スペクトルは多岐に渡っており、未だ機能が明らかでない遺伝子異常(variant of unknown significance: VUS)も多く存在するため、現在それらを遺伝子導入した細胞株を作成し、HER2標的薬の効果を検討するとともに、長期暴露による薬剤耐性細胞株を樹立して、その対策を検討していく。さらには、これまでの検討の中で、耐性化の原因が判明していない細胞株も存在しているため、追加のオミックス解析などにより耐性化因子を同定し、その克服を目指していくとともに、耐性化出現の抑制法について検討する。
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Causes of Carryover |
分担研究者1名が手続き上、うまく使用できなかったため、次年度使用額が少額生じた。次年度の物品費などで適切に処理する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] YES1 activation induces acquired resistance to neratinib in HER2-amplified breast and lung cancers2020
Author(s)
Takeda, T. Yamamoto, H. Suzawa, K. Tomida, S. Miyauchi, S. Araki, K. Nakata, K. Miura, A. Namba, K. Shien, K. Soh, J. Shien, T. Kitamura, Y. Sendo, T. Toyooka, S.
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Journal Title
Cancer Sci
Volume: 111
Pages: 849-856
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Acquired resistance mechanisms to afatinib in HER2-amplified gastric cancer cells2019
Author(s)
Yoshioka, T. Shien, K. Takeda, T. Takahashi, Y. Kurihara, E. Ogoshi, Y. Namba, K. Torigoe, H. Sato, H. Tomida, S. Yamamoto, H. Soh, J. Fujiwara, T. Toyooka, S.
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Journal Title
Cancer Sci
Volume: 110
Pages: 2549-2557
DOI
Peer Reviewed / Open Access