2021 Fiscal Year Annual Research Report
ジャポニカアレイを応用した肺移植後慢性拒絶反応の新しい診断法の開発
Project/Area Number |
19K09305
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
杉本 誠一郎 岡山大学, 大学病院, 准教授 (40570148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊岡 伸一 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (30397880)
大藤 剛宏 岡山大学, 大学病院, 教授 (40452578) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺移植 / 一塩基多型(SNP) / マイクロRNA / 慢性移植肺機能不全(CLAD) / 慢性腎臓病(CKD) / バイオマーカー / 個別化医療 / ジャポニカアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
肺移植は終末期肺疾患に対する確立された治療法であるが、肺移植後の5年生存率は国際平均で約50~60%であり、他の臓器移植に比べて予後不良である。肺移植後の長期生存を妨げる主な原因は慢性移植肺機能不全(CLAD)であり、肺移植後5年間で約50%の肺移植レシピエントに発症するため、CLADの早期診断を可能にする新しいバイオマーカーが必要とされている。また、肺移植後10年で約25%のレシピエントに発症する慢性腎臓病(CKD)も重要な慢性期合併症であり、CKDを予測できる指標も必要とされている。本研究では、(1)肺移植後の血漿マイクロRNA(miRNA)の測定による新しいCLAD診断方法の開発と、(2)ジャポニカアレイを用いた肺移植後のCKDに関連するSNPの同定を行った。(1)肺線維化に関連するmiRNAのうち、血漿miR-21とmiR-155が非CLAD患者(23名)よりCLAD患者(14名)で有意に増加していた。特に血漿miR-21は、CLADの診断1年前と診断時の1秒量、努力性肺活量、全肺気量のベースライン変化率と有意に相関していた。血漿miR-21の測定は、両肺移植後CLADの診断の一助となる可能性があり、低侵襲な新しいCLADのバイオマーカーとなる可能性が示唆された。(2)34例を対象とした探索的解析では、126の腎機能に関連するSNPのうち、8つのSNP(rs102275、rs10277115、rs174549、rs2980098、rs4690095、rs72719193、rs792064、rs7956634)が候補として同定された。99例を対象とした検証的解析では、rs10277115、rs4690095、rs792064の3つのSNPが、肺移植後の長期的なeGFRの変化と関連しており、肺移植後のCKDを予測する指標となる可能性が示唆された。
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Research Products
(32 results)
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[Presentation] Pediatric Lung Transplantation-Intermediate Outcomes of a Japanese Center2021
Author(s)
S. Otani, Y. Tomioka, K. Matsubara, D. Shimizu, H. Yamamoto, T. Shiotani, K. Suzawa, K. Miyoshi, H. Yamamoto, M. Okazaki, S. Sugimoto, M. Yamane, S. Toyooka
Organizer
The International Society for Heart and Lung Transplantation 41st Annual Meeting and Scientific Sessions
Int'l Joint Research
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[Presentation] Risk Assessment of Chronic Lung Allograft Dysfunction Phenotypes after Living-Donor Lobar Lung Transplantation According to the 2019 ISHLT Classification System2021
Author(s)
K. Matsubara, S. Otani, D. Shimizu, Y. Tomioka, T. Shiotani, H. Yamamoto, K. Miyoshi, M. Okazaki, S. Sugimoto, M. Yamane, S. Toyooka
Organizer
The International Society for Heart and Lung Transplantation 41st Annual Meeting and Scientific Sessions
Int'l Joint Research
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[Presentation] The UNCX Polymorphism is Associated with the Development of Renal Dysfunction after Lung Transplantation2021
Author(s)
Y. Tomioka, S. Sugimoto, K. Matsubara, D. Shimizu, H. Yamamoto, T. Shiotani, K. Miyoshi, S. Ohtani, M. Okazaki, M. Yamane, S. Toyooka
Organizer
The International Society for Heart and Lung Transplantation 41st Annual Meeting and Scientific Sessions
Int'l Joint Research
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[Presentation] Plasma Levels of Histidine-Rich Glycoprotein are Associated with the Development of Primary Graft Dysfunction after Lung Transplantation2021
Author(s)
T. Shiotani, S. Sugimoto, H. Yamamoto, K. Matsubara, D. Shimizu, K. Nakata, Y. Tomioka, K. Miyoshi, S. Otani, M. Okazaki, M. Yamane, S. Toyooka
Organizer
The International Society for Heart and Lung Transplantation 41st Annual Meeting and Scientific Sessions
Int'l Joint Research
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[Presentation] Combination of Neutrophil to Lymphocyte Ratio and Glasgow Prognostic Score Improves Prognostic Accuracy in Lung Transplantation: Validation of 9 Preoperative Prognostic Scoring Methods2021
Author(s)
H. Yamamoto, S. Sugimoto, E. Suzuki, Y. Tomioka, T. Shiotani, D. Shimizu, K. Matsubara, K. Miyoshi, S. Otani, M. Okazaki, M. Yamane, S. Toyooka
Organizer
The International Society for Heart and Lung Transplantation 41st Annual Meeting and Scientific Sessions
Int'l Joint Research
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[Presentation] 当院における小児肺移植の成績2021
Author(s)
大谷 真二, 富岡 泰章, 松原 慧, 清水 大, 山本 治慎, 塩谷 俊雄, 諏澤 憲, 三好 健太郎, 山本 寛斉, 岡崎 幹生, 杉本 誠一郎, 山根 正修, 豊岡 伸一
Organizer
第121回日本外科学会定期学術集会
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[Presentation] 肺移植における予後改善に向けての取組 生体肺移植と脳死肺移植の違いに着目した慢性移植肺機能不全(CLAD)の早期診断を目指した取り組み2021
Author(s)
杉本 誠一郎, 塩谷 俊雄, 山本 治慎, 富岡 泰章, 諏澤 憲, 三好 健太郎, 大谷 真二, 山本 寛斉, 岡崎 幹生, 山根 正修, 豊岡 伸一
Organizer
第38回日本呼吸器外科学会学術集会
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[Presentation] UNCX遺伝子多型と肺移植後の腎機能障害との関係2021
Author(s)
富岡 泰章, 杉本 誠一郎, 山本 治慎, 清水 大, 松原 慧, 塩谷 俊雄, 諏澤 憲, 三好 健太郎, 大谷 真二, 山本 寛斉, 岡崎 幹生, 山根 正修, 豊岡 伸一
Organizer
第38回日本呼吸器外科学会学術集会
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[Presentation] 肺移植患者の周術期におけるClostridioides difficile感染症の検討2021
Author(s)
坂田 龍平, 大谷 真二, 石上 恵美, 石原 恵, 土生 智大, 岩田 一馬, 久保 友次郎, 松田 直樹, 清水 大, 松原 慧, 富岡 泰章, 山本 治慎, 塩谷 俊雄, 三好 健太郎, 岡崎 幹生, 杉本 誠一郎, 山根 正修, 豊岡 伸一
Organizer
第38回日本呼吸器外科学会学術集会
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[Presentation] 肺移植後移植片慢性機能不全におけるGoddard scoreの検討2021
Author(s)
塩谷 俊雄, 杉本 誠一郎, 山本 治慎, 富岡 泰章, 諏澤 憲, 三好 健太郎, 大谷 真二, 山本 寛斉, 岡崎 幹生, 山根 正修, 豊岡 伸一
Organizer
第38回日本呼吸器外科学会学術集会
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[Presentation] 肺移植における最適な術前予後予測スコアリング法 9つの術前予後予測スコアリング法の検証から2021
Author(s)
山本 治慎, 杉本 誠一郎, 富岡 泰章, 塩谷 俊雄, 清水 大, 松原 慧, 三好 健太郎, 大谷 真二, 岡崎 幹生, 山根 正修, 豊岡 伸一
Organizer
第38回日本呼吸器外科学会学術集会
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[Presentation] びまん性汎細気管支炎に対する肺移植後の慢性期管理と長期成績2021
Author(s)
杉本 誠一郎, 三好 健太郎, 田中 真, 富岡 泰章, 石原 恵, 石上 恵美, 諏澤 憲, 枝園 和彦, 山本 寛斉, 岡崎 幹生, 山根 正修, 豊岡 伸一
Organizer
第57回日本移植学会総会
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[Presentation] 肺移植後の慢性腎臓病に対して血液透析を導入した症例の検討2021
Author(s)
富岡 泰章, 杉本 誠一郎, 川名 伸一, 久保 友次郎, 清水 大, 松原 慧, 田中 真, 枝園 和彦, 諏澤 憲, 三好 健太郎, 山本 寛斉, 岡崎 幹生, 山根 正, 豊岡 伸一
Organizer
第57回日本移植学会総会
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[Presentation] 生体肺移植後CLADにおける2019年ISHLT新基準にもとづく予後評価2021
Author(s)
松原 慧, 三好 健太郎, 大谷 真二, 川名 伸一, 久保 友次郎, 清水 大, 富岡 泰章, 田中 真, 岡崎 幹生, 杉本 誠一郎, 山根 正修, 豊岡 伸一
Organizer
第57回日本移植学会総会
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[Presentation] Clostridioides difficile感染症診療ガイドライン作成に伴う当院での肺移植周術期の検討2021
Author(s)
久保 友次郎, 田中 真, 石上 恵美, 石原 恵, 坂田 龍平, 富岡 泰章, 枝園 和彦, 諏澤 憲, 大谷 真二, 山本 寛斉, 三好 健太郎, 岡崎 幹生, 杉本 誠一郎, 山根 正修, 豊岡 伸一
Organizer
第57回日本移植学会総会
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[Presentation] 血漿Histidine-rich glycoprotein 濃度と肺移植後一時移植機能不全との関係2021
Author(s)
塩谷俊雄, 杉本誠一郎, 富岡泰章, 田中真, 諏澤憲, 枝園和彦, 三好健太郎, 山本寛斉, 岡崎幹生, 山根正修, 豊岡伸一
Organizer
第74回日本胸部外科学会定期学術集会
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[Presentation] 片肺移植における二次性肺高血圧の影響~当院 の片側脳死肺移植症例の検討から~2021
Author(s)
清水大, 三好健太郎, 杉本誠一郎, 久保友次郎, 川名伸一, 富岡泰章, 松原慧, 田中真, 岡崎幹生, 山根正修, 豊岡伸一
Organizer
第74回日本胸部外科学会定期学術集会