2020 Fiscal Year Research-status Report
ストレスコントロールを指向した周術期管理法の探求~局所麻酔薬の有用性~
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19K09342
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
北山 眞任 弘前大学, 医学部附属病院, 准教授 (80374841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 和美 弘前大学, 医学研究科, 教授 (20238413)
二階堂 義和 弘前大学, 医学研究科, 講師 (50613478)
中井 希紫子 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (60645266)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自律神経機能 / 炎症反応モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットを用いた基礎研究により、炎症反応による自律神経機能の変化が局所麻酔薬の併用によりどのように抑制されるか評価を行った。この結果から臨床研究で提示されるストレス反応の変化を解析しそのメカニズムの解明につなげる。 体重400+/-30gの雄性SDラットを用いレボブピバカイン(1mg/kg ip)を投与し、さらに敗血症による侵襲モデルとしてLPS(リポ多糖:0.1mg/kg)がどのように影響するか検討した。このモデルでは局所麻酔併用の個体に対しLPS投与による炎症が自律神経機能にどのように影響するかを検証した。心電図記録は三種混合麻酔薬(塩酸メデトミジン0.15 mg/kg + ミダゾラム2 mg/kg + 酒石酸ブトルファノール2.5 mg/kg)投与による鎮静下でおこなった。腹腔内投与と生食投与群の2群(各群n=4)で心電図の高速フーリエ変換による心拍スペクトラム解析を行い、LFおよびHF はそれぞれ0.02~1.0Hz,1.0~3.0Hzと定義し、リアルタイムで記録した。LF power, HF powerおよびLF/HF ratioの経時的変化を分析した。 LPS 投与による心拍スペクトラムはLF powerで低下傾向、HF powerで増加傾向を認めLF/HF ratioは低下傾向を示した。LPSの投与により心拍変動解析の各指標に有意な低下傾向を認めたが、副交感神経系機能の低下によって心拍数が比較的高値に維持され ることに由来すると考えられものと考えられ、全体的にLPS投与により自律神経系機能は交感神経・副交感神経ともに低下し調節機構として健全な働きを消失した状態に落ちうると考えられる。 今後はLPS(0.1mg/kg)をすべてに投与し生食投与群とレボブピバカイン(1mg/kg ip)投与群で比較するとLPS炎症モデルに於けるレボブピバカインの効果が分かる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
臨床研究対応が遅れている。COVID-19 流行の影響により、当初対象患者として予定していた手術患者が減少し、現在対象手術の変更を検討中である。また心拍変動解析用のデバイスの運用に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎研究ではLPS投与した炎症反応モデルによるラットで心電図解析を継続し、局所麻酔薬投与の有無による自律神経機能への影響を検討する。 平行する臨床研究は、膝人工関節置換術を対象として臨床研究を進める予定であったが術後サージカルICUへの入室制限など実験プロトコールの遂行が困難な状況が予想される。 対象患者を変更しプロトコールに修正を加える予定である。
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Causes of Carryover |
基礎研究でテレメータ装置によるラットの心電図解析を行う予定であったがプロトコールを一部変更し、鎮静下で有線による心電図解析が可能となったため余剰な金額が生じた。 一方で、臨床研究で使用する心電図解析ソフトに不具合が生じ、データ取り込みと解析が困難な状況になっており、次年度に心電図測定と解析を同時に可能な機器の購入を行う予定である。
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