2020 Fiscal Year Research-status Report
血小板と白血球の相互作用による敗血症増悪病態におけるmicroRNAの役割の解明
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19K09427
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
影山 京子 関西医科大学, 医学部, 研究医員 (80347468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 康文 関西医科大学, 医学部, 教授 (70326239)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | microRNA / 遺伝子治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症時の血小板と好中球の相互作用において、血小板由来miRNAの役割を、ヒト正常血小板、好中球を用いた共培養実験系(In Vitro系)で、施行した。健康成人被験者から、1回20mlの採血を行う。クエン酸採血後、遠心操作にて洗浄血小板溶液作成、及びHistopaque等を用いて好中球の分離を行った。(miRNAの分離と濃縮)血小板、好中球、及び還流液検体から、mirVanaTM miRNA Isolation Kit 等を用いてmiRNAを抽出した。 1)包括的miRNAの発現プロファイリング 定量性のある網羅的miRNAプロファイリングを、従来のマイクロアレイ法よりも、優れた次世代高速シーケンサーIon PGMシステム(Life Technology社)を用いる。2)Small RNAのライブラリ作成 Ion Total RNA-Seq Kitを用いる 3)cDNAに変換、増幅。逆転写後、エマルジョンPCR法で、cDNAを増幅 4)シーケンシング(3時間)シーケンサーによるmiRNA発現定量 5)データ解析(1時間)サーバーにSFFまたはFASTQ形式データの転送。統計学的な有意差検定を伴う発現定量解析には、CLCバイオ社の解析ソフト(Genomic Work Bench)を使用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で、勤務時間に制限がかかり、実験消耗品の納入が遅れることもあった。また、一部の実験内容を、外部委託しているが外部委託会社の勤務時間が短縮しているため、培養細胞を用いた実験が部分的に遅れている。 また、2020年度中に、敗血症患者を対象とした臨床研究を施行する予定であったが、コロナ禍のために、予定が延期となった。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の実験で特に還流液中で上昇した(血小板由来と考えられる)miRNAのmimic(Pre-miRTM miRNA Precursor Molecules, Ambion社)と、そのmiRNAに特異的なmiRNA阻害薬(Anti-miRTM miRNA Inhibitor, Ambion社)を、好中球へ遺伝子導入し、好中球の脱顆粒化、NETs、ヒストンを蛍光色素染色後、半定量化し比較検討する予定である。 また、敗血症患者を対象とした臨床研究において、上記の実験結果が再現できるかを検討予定にしている。
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Causes of Carryover |
研究実績の概要で記入した内容で、コロナ禍等の理由で遅延した研究で、特に還流液中で上昇した(血小板由来と考えられる)miRNAのmimic(Pre-miRTM miRNA Precursor Molecules, Ambion社)と、そのmiRNAに特異的なmiRNA阻害薬(Anti-miRTM miRNA Inhibitor, Ambion社)を、好中球へ遺伝子導入し、好中球の脱顆粒化、NETs、ヒストンを蛍光色素染色後、半定量化し比較検討する予定であるため、その研究に使用する資金が、次年度に繰り越した資金を中心に必要となる。 また、敗血症患者を対象とした臨床研究において、上記の実験結果が再現できるかも検討予定にしているため、その研究に使用する資金が必要となる。
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