2021 Fiscal Year Annual Research Report
MRI拡散・灌流情報を用いた脳循環予備能評価のための無侵襲脳血液量計測法の開発
Project/Area Number |
19K09462
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
上野 育子 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 講師 (20468317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 邦昭 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00305989)
佐々木 真理 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 教授 (80205864)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳循環予備能 / IVIM / ASL / 脳血液量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではMRIを用いた高精度で無侵襲な脳循環予備能計測法として、(1)拡散強調画像(DWI)に含まれる灌流情報(intravoxel incoherent motion, IVIM)を利用した手法と、(2)arterial spin labeling (ASL)法灌流画像の経時的信号変化を利用した手法の異なる2つのアプローチからの脳血液量(cerebral blood volume,CBV)計測法の開発を目指した。 本研究ではこれまで、IVIM解析の灌流割合(f値)が、慢性脳虚血患者の僅かなCBV上昇を捉えることが可能かどうか、アセタゾラミド負荷SPECTによる血管反応性(cerebrovascular reactivity, CVR)と比較することにより精度検証を行ってきたが、最終年度にてその研究成果を国際論文誌にて発表した(Uwano I, et al. J Stroke Cerebrovasc Dis. 30:106107, 2021)。手法は、対象が慢性期片側性内頚動脈狭窄患者47名、DWIはb値は0~800s/mm^2までの11個に設定して撮像した。IVIM解析ではb値200s/mm^2以上で真の拡散係数Dを求めた後に全b値を用いて残りのfと疑似拡散係数D*を求めた。MCA領域をROI計測し、IVIM-fとSPECT-CVRを比較した。結果として患側IVIM-f値は健側より有意に高値となり、IVIM-f患側/健側比はSPECT患側CVRと有意な負の相関となった。また、CVR低下(<18.4%)における感度は0.71、特異度は0.9であった。この結果から、IVIM解析によるf値によるCBV計測は、慢性脳虚血患者における脳循環予備能評価に使用可能であることが示唆された。 本研究のもう一つの課題であるASL解析については現在解析中であり、今後学会等で発表する予定である。
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Research Products
(1 results)