2021 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子EVI1によるマルチキナーゼ発現制御機構の解明
Project/Area Number |
19K09486
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
水口 麻子 宮崎大学, 安全衛生保健センター, 講師 (00647472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横上 聖貴 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40284856)
山下 真治 宮崎大学, 医学部, 助教 (40468046)
渡邉 孝 宮崎大学, 医学部, 講師 (90573337)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | EVI1 / 悪性神経膠腫 / 受容体型チロシンキナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度までの研究により、転写因子EVI1がEGFR(上皮成長因子受容体)の発現を正に制御していること、EVI1の一過性ノックダウンによりグリオブラストーマ培養細胞の細胞増殖速度が低下することを明らかにした。この結果を基に、2020年度以降はEGFR以外の受容体型チロシンキナーゼについて、EVI1による発現変動解析を実施した。 2021年度は、siRNAを用いたEVI1一過性ノックダウンに伴い、PDGFRB(血小板由来増殖因子受容体β)およびVEGFR1(血管内皮細胞増殖因子受容体1)の発現量が低下することを、複数のグリオーマ培養細胞株を用いた解析で認めた。 PDGFRBは血管周皮細胞の主要マーカーであり、PDGFRBを介したシグナル伝達により血管周皮細胞は新生血管の成熟・安定化に貢献する。また、VEGFR1は血管内皮に発現し、血管新生に欠かせない重要因子である。さらに、我々は本研究においてグリオブラストーマ患者の組織サンプルにおいてEVI1が高発現しているという新しい知見を得ている。グリオブラストーマの病理組織学的特徴の一つとして、血管新生が挙げられる。これらの事実からは、EVI1がグリオブラストーマにおいて血管新生と強く関連している可能性が示唆された。 グリオーマに対する化学療法では、近年、VEGFR阻害剤の有効性が示され、臨床応用されている。本研究で得られた成果により、EVI1が化学療法における新規分子標的となることが期待される。
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