2019 Fiscal Year Research-status Report
次世代プロテオミクスによる神経膠芽腫浸潤・増殖関連タンパクとバイオマーカーの探索
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19K09541
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Research Institution | National Hospital Organization, Kyushu Medical Center (Clinical Institute) |
Principal Investigator |
中溝 玲 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 脳神経外科科長 (80529800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 敏之 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 脳神経外科医長 (70448413)
松尾 諭 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 脳神経外科医師 (80734938)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プロテオミクス / 神経膠芽腫 / 浸潤 / 増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
当院倫理審査委員会により認可された2019年5月22日以降、7例の神経膠芽腫に対する摘出術を施行した。摘出術の際に全患者において手術室搬入前に5-ALAを内服させ、摘出中に発光を確認しながら、また、ニューロナビゲーションやエコーの所見を参考にしながら腫瘍から離れた辺縁、invasion frontが含まれると思われる正常脳組織との境界部分、腫瘍表面、腫瘍本体、というように表面から深部に向けて段階的に腫瘍を採取し、それぞれプロテオミクス解析用と病理組織用に分けて保存した。うち1例は再発症例であり過去の放射線化学療法による修飾が否定できず、1例は脳梁部の生検術であり腫瘍辺縁部の採取ができなかった。1例では血液の保存が冷蔵でなされており、メタボロミクスやリピドミクスによる測定対象化合物の中には、採血後直ちに冷凍しなければ測定値が増減してしまうものが含まれているため、これも除外した。残りの4例において腫瘍、腫瘍辺縁、血清、血漿、髄液(2例)を凍結保存しており、これらを測定対照群とした。全例において神経膠芽腫の病理診断が確定している。採取部位は以下の通り。症例1:右側頭葉神経膠芽腫。腫瘍表面5-ALA陽性、腫瘍辺縁5-ALA陰性、腫瘍本体5-ALA陽性、腫瘍本体5-ALA陰性。症例2:島神経膠芽腫。島皮質、腫瘍辺縁5-ALA陽性、腫瘍表面5-ALA陽性、腫瘍本体5-ALA陽性。症例3:側頭葉神経膠芽腫。腫瘍辺縁5-ALA陰性、腫瘍境界5-ALA陽性、腫瘍本体5-ALA陽性。症例4:頭頂葉神経膠芽腫。腫瘍辺縁5-ALA陰性、腫瘍表面5-ALA陽性、腫瘍本体5-ALA陽性、脳室壁5-ALA陽性。比較対象群である髄膜腫については9例の摘出術を行い、腫瘍、血清(7例)、血漿(7例)、髄液(6例)を凍結保存している。神経膠芽腫の症例が5例に達した時点でのプロテオミクス解析を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経膠芽腫症例を1例追加した後に解析を開始する。
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Strategy for Future Research Activity |
神経膠芽腫5例、髄膜腫5例においてプロテオミクス解析、メタボロミクス解析、リピドミクス解析を予定している。
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Causes of Carryover |
初年度に予定していた症例数が1例不足していたため、次年度に症例が充足した時点で解析を開始する予定である。髄膜種5例+神経膠芽腫 5例×4か所(1部位2ポイントずつ)+メタボロミクス・リピドミクス:10例を予定しているが、次年度に発生した神経膠芽腫症例の数と採取できたサンプルの数により、髄膜種5例+神経膠芽腫10例×3か所+メタボロミクス・リピドミクス:15例までの範囲で、組み合わせを調整する。
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