2019 Fiscal Year Research-status Report
A biomechanical analysis of multi-level reconstruction model for osteoporotic spine –investigation of optimal approach for spinal instrumentation-
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19K09546
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
出村 諭 金沢大学, 附属病院, 准教授 (00348228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 大輔 龍谷大学, 理工学部, 准教授 (20447907)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 成人脊柱変形 / 骨粗鬆症 / 有限要素解析法 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨粗鬆症を有しているが既存の脊椎圧迫骨折のない64歳女性・BMD 0.717g/cm2の全脊椎CT画像データを基に、有限要素解析ソフト(MECHANICAL FINDER)を用いて第1胸椎から骨盤までの多椎体三次元有限要素モデルを構築した。さらに、実臨床で使用する金属製インプラント(椎弓根スクリュー・S2 Alar Iliacスクリュー・ロッド)をマイクロCTで撮影し、これらのCT画像データを基にCADソフト(Solid Works)を用いてインプラントのSTLモデルを構築し、有限要素解析ソフト内に取り込み利用できるようにした。 これらのモデルを用いて、インプラントの固定範囲・脊椎アライメントの条件の違いにより発生する力学的応力の変化を検討するため、以下のように条件を設定した。固定範囲:1) 第2胸椎-仙骨、2) 第10胸椎-仙骨の2通り、アライメント:a) SVA 0mm、b) SVA 50mm、c) SVA 100mmの3通り。これらの条件の違いを組み合わせて、合計6モデルを構築した。 荷重拘束条件は、体重60kgを想定した1200Nを胸腰椎の椎体上位終板の節点数に応じて分配荷重し、両臼蓋部を完全に拘束した状態で、静弾性応力解析を行った。 全モデルにおいて固定上端および固定下位の椎体・インプラントに応力が強く発生した。固定範囲の違いでは固定下位に発生した応力にあまり差は認められなかったが、固定上端においては2) 第10胸椎-仙骨の方が強く応力が発生していた。アライメントの違いではc) SVA 100mmに発生する応力が全体的に強く、a) SVA 0mmの約5倍の応力が生じていた。 以上の結果から、固定下位に応力が発生している事が示された。インプラントの種類や密度を変化させた場合、これらの応力がどのように変化するか検討していく必要があると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胸椎から骨盤までの三次元有限要素解析モデルの作成および金属製インプラントのデータ化により、脊椎インストゥルメンテーション手術を想定した多椎体有限要素解析モデルの作成に成功した。このモデルを用いて、インプラント固定範囲と脊椎アライメントにおいて条件の異なるモデルを作成することが可能となった。多椎体有限要素解析モデルにおける至適な荷重拘束条件を算出し、静弾性応力解析を行い一定の結果を得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、使用する金属製インプラントを変化させた場合や、固定範囲内のインプラント密度を変化させた場合において、椎体やインプラントに発生する応力にどのような違いが生じるか検討する。 さらに、Anybody Modeling Systemなどの筋骨格モデリング趣味レーションを参考に、脊柱周囲筋・靭帯・椎間板などの姿勢維持に必要な脊柱周囲軟部組織を数値化し、作成した各モデルに付加し、応力解析を行っていく。
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Causes of Carryover |
研究はおおむね順調に推移しているが、国内外の諸事情により、学会発表の中止があり、次年度以降の学会発表を予定している。
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Research Products
(3 results)