2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of new combined cancer immunotherapy for malignant soft tissue tumor
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19K09551
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中田 英二 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (10649304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宝田 剛志 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30377428)
尾崎 敏文 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40294459)
山田 大祐 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (50733680)
伊藤 達男 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80789123)
上甲 良二 岡山大学, 大学病院, 医員 (80847856) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 増殖抑制 / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性骨軟部腫瘍は四肢に多く発生し、肺転移を起こす予後不良な悪性腫瘍である。有効な化学療法はほとんど開発されておらず、進行例に対する新規抗がん剤の開発が期待されている。我々は、間葉系幹細胞(MSC)に発現するPaired related homeobox 1 (PRRX1) という遺伝子が、間葉系幹細胞由来である肉腫にも強く発現し、PRX1の発現を抑制すると、肉腫細胞株の増殖が著しく抑制されることを確認した。また、PRX1が免疫チェックポイント阻害剤の効果のキーとなるProgrammed Death-Ligand 1 (PD-L1)を制御することを確認した。したがって、PRRX1阻害剤と免疫チェックポイント阻害剤 (ニボルマブ)を併用した複合がん免疫療法が軟部肉腫に対しより効果が得られると考えた。そこで、我々は、さらに複数の肉腫細胞株でPRRX1の発現を抑制し、細胞増殖が低下することをin vivoとin vitroで調べることとした。また、ニボルマブで肉腫細胞株の増殖が抑制されることを調べることとした。さらに、PRRX1阻害と、ニボルマブの併用による相乗効果で、抗腫瘍作用がより増強されることを調べることとした。この研究に取り組みにあたり、まず我々は様々なPRRX1の発現を肉腫細胞株で調べた。その結果、最も発現している細胞株の1つが骨肉腫細胞株であることが判明 した。したがって、我々は骨肉腫細胞株でのPRRX1抑制効果について検討することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の骨肉腫の細胞株(HOS,143B,U2OS,SaOS2,MG63)を用いてPRX1の発現を調べた。143Bでは特にPRRX1の発現を強く認めた。そこで143Bを用いることとした。 shRNAレンチウイルスを用いて、143BのPRX1をノックダウンした。PCRで、PRRX1の発現はコントロールと比べ、shPRRX1-Aでは89%、shPRRX1-Bでは98%低下することを確認した。 ついで、PRRX1阻害による肉腫細胞に対する増殖抑制効果を調べた。WST-1 assayで24h, 48h, 72hにおける増殖能を計測した。コントロールと比べ、72hにおいてshPRRX1-Aでは26%、shPRRX1-Bでは60%低下することを確認した。ついで、migration assay、invasion assayを行った。PRRX1 をノックダウンした143Bではコントロールと比べ、migration assay、invasion assayともに有意に低下することを確認した。shRNAレンチウイルスを用いてPRX1をノックダウンした143Bをマウスに移植し、コントロール群との腫瘍増大傾向を比較した。また、PRRX1は肺転移にも関与している可能性があり、肺転移の有無についても検討したところ、転移巣が減少していることを確認した。 さらに、臨床検体を用いて、PRRX1の発現量を骨肉腫患者の予後について検討したところ、発現量が多いほど予後不良であることが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、ニボルマブによる骨肉腫細胞の増殖の抑制やPRX1阻害と、ニボルマブの併用による相乗効果で、抗腫瘍作用がより増強されることを確認する予定である。
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Causes of Carryover |
消耗品等について、予定していた額よりも安価に実施することができた。また、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、予定していた学会が中止となったた め、残額が生じた。 次年度、in vitroでのPRRX1抑制による抗腫瘍効果等の検討のための消耗品等の支出にあて、学会等での成果発表に係る旅費にも支出する予定である。
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Research Products
(1 results)