2019 Fiscal Year Research-status Report
慢性疼痛に対する視床下部-脊髄系の疼痛受容および抑制システムの解明
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19K09564
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
川崎 展 産業医科大学, 医学部, 講師 (40644860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 陽一 産業医科大学, 医学部, 教授 (10232745)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オキシトシン / トランスジェニックラット / 変形性膝関節症 / MIA |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性膝関節症(膝OA)モデルを用いて、中枢神経での最初期遺伝子(FosB)発現、視床下部でのOXT合成量ならびに脊髄後角へのOXT軸索輸送の定量評価実験を行なった。まず、5週齢Wistarラットを使用し、右後肢膝関節内にMIA 1 mgを投与し膝OAモデルを作成した(MIA群)。MIA投与群では膝OA変化が生じ、機械刺激・温度刺激に対する痛覚閾値は対照群と比較し有意に低下を認めた。続いて、関節注射後28日に灌流固定を行い、脳・脊髄切片を作成し、視索上核(SON)・室傍核(PVN)を含む脳切片とL4レベルの脊髄切片を用いて神経活動の指標として用いられるFosBによる免疫組織学染色を行い、SON・PVN・患側L4脊髄後角I-II層でのFosB陽性細胞数をカウントした。その結果、MIA群において対照群と比較し全ての領域でFosB陽性細胞数が増加していた。続いて、関節注射後28日の血液及びSON・PVNを含む脳切片を作成し、血中OXT濃度及びin-situハイブリダイゼーション法を用いて、それらの領域におけるOXT mRNAの発現量を定量評価した。MIA群では小細胞PVN(pPVN)においてのみ対照群と比較し有意にOXT mRNAの発現量の増加を認め、血中OXT濃度は有意な変化を認めなかった。さらにOXT mRFP1遺伝子融合(トランスジェニック)ラットを用いて同様にMIA群及び対照群を作成した。SON・PVNにおけるOXT-mRFP1蛍光輝度及び患側L4におけるOXT-mRFP1陽性分泌顆粒数をカウントしたところ、MIA群では対照群と比較し、背側PVNにおけるOXT-mRFP1蛍光輝度及び患側L4脊髄におけるOXT-mRFP1陽性分泌顆粒数の有意な増加を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度は、変形性膝関節症モデルの実験を行い、神経障害性疼痛モデルの実験までは至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては、本年度行なった内容と同様の実験を、神経障害性疼痛モデルを作成し行う予定である。続いて、OXT-mRFP1トランスジェニックラットを用いて膝OAモデルならびに神経障害性疼痛モデルを作成しOXTニューロンの可塑性を評価するため電気生理学的実験も行う予定である。 本研究の成果は、日本生理学会、日本整形外科学会などの国内学会および国際学会に発表し、国際専門誌に英文論文として発表する予定である。
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Causes of Carryover |
令和元年度の研究がやや遅れ、試薬購入も滞り、使用金額の減額を生じたため。
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