2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigation for mechanism of metastasis using molecular imaging
Project/Area Number |
19K09571
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
土屋 弘行 金沢大学, 医学系, 教授 (40227434)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 真嗣 金沢大学, 医学系, 助教 (40753455)
林 克洋 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任教授 (80507054)
五十嵐 健太郎 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任助教 (80622860)
山本 憲男 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任教授 (90332668)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 骨肉腫 / 転移 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
肉腫は小児・AYA世代(思春期・若年成人)に多い骨腫瘍で,化学療法が進歩した現代においても転移例では5年生存率はいまだ10-20%と極めて予後不良な悪性腫瘍である。そのため,その進展機構の早急な解明と新規治療法の開発が望まれる。 今回,腫瘍が分泌する細胞外小胞が,miRNA146a-5pという分子を骨微小環境においてマクロファージ(前破骨細胞)へと送達することで破骨細胞の分化を抑制し,腫瘍が浸潤・転移を起こしやすい環境を構築することを見いだしました。腫瘍細胞を骨に移植した骨肉腫モデルマウスにおいて,腫瘍による細胞外小胞の産生を抑制した結果,血管新生や転移が抑えられ、腫瘍周囲の破骨細胞の分化が維持された。次に,腫瘍から分泌された細胞外小胞はマクロファージ(前破骨細胞)に取り込まれ,TRAF6の生成抑制及びNFκB経路のリン酸化抑制を通じて、前破骨細胞の融合(破骨細胞の分化)を阻害することを見いだした。続いて、悪性度の異なる2種類のヒト骨肉腫細胞株におけるmiRNAの全網羅的解析を行った結果、高悪性度の細胞株に5倍以上多く含まれているmiRNAsの中でmiRNA146a-5pがTRAF6の生成抑制に関与していることをつきとめ、miRNA146a-5p遺伝子導入マクロファージは破骨細胞への分化が抑制されることを明らかとした。さらに患者検体において治療前の生検組織で破骨細胞の分化が抑制されている症例は有意に予後不良で転移が多いことが分かった。 本研究により,骨肉腫の進展に細胞外小胞が深く関与しており,その産生を抑えることで,腫瘍の浸潤・転移を抑えることができる可能性が示された。今後,骨肉腫の早期発見や予後診断,新たな治療法の開発へと研究が発展することが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肉腫の転移メカニズムについて、新たな知見が得られているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究計画を遂行していく。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルス拡大の影響で学会の現地参加ができず、学会の旅費や宿泊費の減少により、予定よりも使用額が減少したため。
|
Research Products
(22 results)