2021 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation for mechanism of metastasis using molecular imaging
Project/Area Number |
19K09571
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
土屋 弘行 金沢大学, 医学系, 教授 (40227434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 真嗣 金沢大学, 医学系, 助教 (40753455)
林 克洋 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任教授 (80507054)
五十嵐 健太郎 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任助教 (80622860)
山本 憲男 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任教授 (90332668)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 骨肉腫 / 転移 / 細胞外小胞 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】本研究の目的は骨肉腫細胞由来細胞外小胞が破骨細胞の分化に及ぼす影響とその転帰について解明することである. 【方法】易肺転移性のマウス骨肉腫細胞株LM8を使用し,超遠心法にて細胞外小胞を回収,in vitroにて破骨細胞の分化誘導時に添加した.破骨細胞の分化をTRAP染色にて確認し,その分化誘導初期にWestern BlotにてNFκB経路,MAPK経路への影響,誘導2日目に qRT-PCRにて分化誘導に関する分子への影響を調べた.次に細胞外小胞 の排出に関わるTSG101遺伝子をノックアウト(KO)した細胞株を作成し,in vivoにてLM8および TSG101KOLM8をマウスの脛骨内に移植,3-5 週で脛骨および肺を摘出し,組織学的評価を行った.最後に骨肉腫患者の治療前の生検組織の破骨細胞の分化をCathepsin K染色にて評価し,予後との相関を調べた. 【結果】細胞外小胞添加群において10000μm2 以上のTRAP陽性の破骨細胞の数は有意に減少した.qRT-PCRにてTRAPのmRNAおよび,破骨細胞分化の制御分子であるNFATc1とその下流のDC-STAMP,OC-STAMP,Atp6v0dのmRNAはいずれも有意に減少した.NFATc1の上流のNFκB経路でNFκB,IκBαタンパクのリン酸化 の抑制を認めたが,MAPK経路のタンパクのリン酸化の抑制は軽度であった.TSG101-LM8移植マウスはLM8移植マウスに比較し,腫瘍周囲の血管新生と肺転移が有意に抑制された.骨肉腫患者の生検組織で類骨周囲の破骨細胞が陽性症例の全生存率および無転移生存率は有意に良好であった. 【考察】骨肉腫細胞由来細胞外小胞はNFκB経路のタンパクのリン酸化を抑制することで破骨細胞の分化を抑制し,血管新生の促進,肺転移を誘導している可能性が示唆された.今後NFκB経路のリン酸化を抑制する細胞外小胞内の分子を標的とした骨肉腫の新規治療につながる可能性がある.
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Research Products
(54 results)