2019 Fiscal Year Research-status Report
骨変形治療の低侵襲化を目的とした徐放性骨軟化ゲルの開発
Project/Area Number |
19K09631
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
寺井 秀富 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (20382046)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 孝司 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 後期臨床研究医 (30711824)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 骨軟化 / ゲル / 骨再生 / 変形矯正 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は生体内で局所的に骨軟化をきたすゲルを開発し、骨変形に対する新しい治療法手段を開発することである。先行研究においてリンゴ酸含有TCP(三燐酸カルシウム)ペーストが生体骨内で緩除に骨融解を生じることが分かっている。骨融解の速度と生体内毒性を検証するために担体の選定を進めている。候補としてリン酸四カルシウムと第二リン酸カルシウム二水和物から成るリン酸カルシウム骨ペーストか生体内分解・吸収性のポリ乳酸化合物、もしくは両者の混合化合物を選定し、単位質量あたりに含まれるリンゴ酸質量を複数設定した化合物の作製を工学部に依頼している。マテリアルが完成次第、PBS中に溶解しpHとリンゴ酸濃度を経時的に測定するIn vitroでの実験を開始する。当初よりIn vivoでの埋植実験を行う予定であるため、In vivoでの実験開始に備え、ラット大腿骨を用いた骨折モデル作成に取り組んでいる。具体的にはラットの大腿骨に髄内釘や創外固定器を用いて変形したまま骨癒合させる変形癒合モデルの作製を行っている。ラット大腿骨を用いた変形癒合モデルは感染や偽関節などを生じるため再現性に問題があることがわかってきた。そこで、今後はラビットなどのやや大型の動物を用いて変形癒合モデルの作成と再現性の確立をすすめていきたいと考えている。今後はIn vivoでの変形癒合モデル作成とともにラット摘出大腿骨を用いたIn vitro骨融解モデルの実験をすすめていきたいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1)リン酸カルシウム、吸収性ポリマー、リンゴ酸の濃度別に9種類の化合物を作製中である。 2)In vivo骨融解実験に用いるラット大腿骨を摘出し保存している。 3)ラット大腿骨に18G針を用いた髄内固定や創外固定器を用いた創外固定により変形癒合モデルの作製を試みているが、感染、骨癒合不全が多く、再現性のあるモデル確立に至っていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)マテリアルをPBS中に溶解しpHとリンゴ酸濃度を経時的に測定し、化合物の基礎データを収集する。 2)ラット大腿骨のIn vitro骨溶解モデルの解析から骨軟化をきたす最適なリンゴ酸濃度と担体の関係を調べる。 3)長管骨の変形治癒モデルの作製を引き続き行い、再現性が担保されないなら動物種の変更を考慮する。
|
Causes of Carryover |
変形癒合モデルの再現性が悪いために本格的な動物実験のPhaseに進んでいないこと、マテリアル作成の遅延によりIn vitroでの実験が進んでおらず消耗品の消費が少なかったことがあげられる。次年度以降に当初計画した実験が行われる予定であり、本年度使用残金分は次年度の消耗品・実験動物購入費に使用予定である。
|