2021 Fiscal Year Research-status Report
酸化ストレス活性化転写因子Nrf2をターゲットとした尿路結石症予防法の開発
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19K09677
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40264733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 亮介 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30381867)
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
岡田 淳志 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70444966)
濱本 周造 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (80551267)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 尿路結石 / 酸化ストレス / PHD阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス腎尿細管細胞(M1)に対して、control群とPHD阻害剤 (25、50、75μM)投与群にシュウ酸カルシウム結晶(COM)20μg/cm2を添加し、結石付着量、Ccl2、Sod1、Il6、Tnf、Spp1をPCRにて検討した。PHD阻害剤投与によりマウス腎尿細管細胞(M1)への結晶付着量が有意に減少し(p<0.05)、炎症マーカーであるCcl2、Spp1の発現の減少を認めた(p<0.05)。また、control群とHIF-1αをknock downしたマウス腎尿細管細胞(M1)に対しPHD阻害剤を投与後にCOMを添加した。この結果、control群と比較しknock down群において、結晶付着量の有意な増加を認め(p<0.05)、Ccl2、Spp1の増加と抗酸化ストレスマーカーのSOD1が減少した(p<0.05)。 In vivo実験においては、8週齢雄マウス(C57BL/6J)を、コントロール群(PBS投与)とPHD阻害剤投与群(5mg,10mg/kg/da投与)に分け、グリオキシル酸80mg/kgを連日投与したところ、尿路結石を形成させることができた。Day6に解剖し結石形成抑制効果を検討した。PHD阻害剤投与群で結石形成が抑制され、Ccl2、Spp1、Tnfαの低下が確認できた(p<0.05)。今回の結果からPHD阻害剤が、参加ストレスを抑制することにより、将来、有用な尿路結石予防薬となりうることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
尿路結石形成に関与する酸化ストレスを抑制することにより、腎尿管結石予防・治療を考えるという目的は達成されつつある。実臨床での効果を判断するには、まだ早計であり、今後の研究結果を待つことになる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で酸化ストレスを抑制することが、尿路結石予防および治療に有用であることが実証された。今後は、実臨床で使用可能な薬剤の同定とヒトでの臨床効果の確認が必要であり、倫理委員会の承認を得たうえで早期に計画していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
1) 抗酸化物質のNrf2シグナル伝達系への影響と結石形成抑制効果、2) 結石形成モデルマウスでのNrf2シグナル伝達系関連蛋白の発現を遂行する予定であった。計画自体は順調な滑り出しであったがCOVID-19による通常の医療業務が大幅に変更となり、予定してていた研究を進めることができなかった。また国際・国内学会出張も計画していたが、出張することもできなかった。このため次年度使用が生じた。次に最終年度として、1)2)のよりよい結果を得るよう研究を進めたい。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Bisphosphonate Use May Reduce the Risk of Urolithiasis in Astronauts on Long-Term Spaceflights2021
Author(s)
Okada Atsushi, Matsumoto Toshio, Ohshima Hiroshi, Isomura Tatsuya, Koga Tadashi, Yasui Takahiro, Kohri Kenjiro, Adrian LeBlanc, Elisabeth Spector, Jeffrey Jones, Linda Shackelford, Jean Sibonga
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Journal Title
JBMR Plus
Volume: 30
Pages: 184-189
Peer Reviewed