2019 Fiscal Year Research-status Report
Exploration of novel therapeutic molecules for urothelial cancer based on the molecular subtypes and metabolomics
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19K09724
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
土谷 順彦 山形大学, 医学部, 教授 (70282176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 整 山形大学, 医学部, 助教 (00431643)
櫻井 俊彦 山形大学, 医学部, 助教 (60534154)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 尿路上皮癌 / メタボロミクス / 分子サブタイプ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、「尿路上皮癌細胞株の分子サブタイプにおける特徴的な細胞内代謝のメタボローム解析」を行うことを計画した。これまで分子サブタイプ解析が行われている膀胱癌細胞株の中から代表的な4株を取得した(Luminarサブタイプの代表としてRT-4、Basal サブタイプの代表としてSCaBERとHT1376、p53-like サブタイプの代表としてT24)。当初の予定では、これらについてメタボローム解析を行う予定としていたが、シスプラチン耐性株との比較を同時に行った方がよいと判断し、2021年度に行う予定であった「シスプラチン耐性化による細胞内ダイナミクスの変化」を前倒しにして行うこととした。前述の4細胞株に対して培地にシスプラチンを3週間ごとに0.3 uMから段階的に4.5 uMまで漸増させながら加えた。その結果、いずれの細胞株も最大濃度の4.5uMのシスプラチン下での生存が確認されており、4つの代表的な細胞株のシスプラチン耐性株を樹立することができた。 さらに、2020年度には「臨床検体を用いたメタボローム解析」を予定しており、2019年度中は経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)施行時の臨床検体の採取を行った。当初の予定では年間20検体、合計40検体(いずれも腫瘍と正常膀胱粘膜のペア)の採取を予定していたが、現時点で20検体が収集されており、ほぼ予定通りの進捗状況となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度に予定していた、膀胱癌細胞株におけるメタボローム解析は行えていないものの、2021年度に予定したシスプラチン耐性株の作製は順調に進んでいる。メタボローム解析は同時に施行したほうが比較しやすく効率的である。また、臨床検体の収集も予定通りの進捗状況となっている。以上の理由により、計画の変更はあったものの概ね予定通りの進捗状況と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた、メタボローム解析による膀胱癌細胞株の親株の比較に関しては、耐性株の樹立を確認した上で同時に行うこととした。2020年度前半期には解析の結果が得られると予想している。2020年度後半期には、得られた結果を元に分子サブタイプの異なる親株における細胞内代謝の比較とシスプラチンへの耐性を獲得した際の細胞内代謝の変化を解析する予定である。当初の予定にはなかったが、シスプラチンと併用されることが多いゲムシタビン耐性株も同様に作製し、メタボローム解析を行う予定としている。 さらに、2020年度は臨床検体に関する分子サブタイプの評価を行う準備を始める。具体的にはFOXA1、PPARγ、GATA3、KRT20、KRT6A、UPK3A、EGFRをリアルタイムPCRで定量するための測定系を確立するとともに、GATA3、KRT5/6等を用いた免疫染色法による分子サブタイプの分類についても検討し、2022年に予定している臨床検体のメタボローム解析との比較検討を行う準備を進める予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度に予定していた、メタボローム解析による膀胱癌細胞株の親株の比較に関しては、耐性株の樹立を確認した上で2020年度に同時にまとめて行うこととした。2019年に予定していたメタボローム解析を行なわかったため、次年度使用額が発生した。2020年度に予定している研究は計画通り行う予定であり、2019年度に予定していたメタボローム解析にかかる費用と合わせて使用することを計画している。
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