2021 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科癌手術の個別化医療に向けたセンチネルリンパ節理論の解明と分子病理診断の応用
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19K09757
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
戸上 真一 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (20644769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 裕明 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70260700)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子宮頸癌 / 子宮体癌 / センチネルリンパ節 / OSNA法 |
Outline of Annual Research Achievements |
センチネルリンパ節(SN)の術中迅速転移診断は通常病理組織診で行うが、病理医の応援が必要で、この負担を軽減する診断法にOSNA法がある。SNの診断結果は郭清の要否のみならず、術後の予後予測と治療方針の決定に重要であるため、OSNA法による転移診断精度を検討した。2018年3月よりIRB承認のもと、子宮がん手術時の摘出リンパ節を用いて、OSNA法と、病理組織検査による転移診断の一致率を評価する臨床試験を行った。まずは、子宮頸癌47例、子宮体癌73例において、原発巣の組織型およびCK19タンパク発現状況を評価した。その結果、子宮頸癌の35例の扁平上皮癌、11例の腺癌、1例の腺扁平上皮癌では全ての組織において10%以上のCK19タンパク発現を認めた。また、子宮体癌の53例の類内膜癌G1/2、類内膜癌G3の9例、内膜異型増殖症の1例、漿液性癌の5例、明細胞癌の2例、癌肉腫の2例の全ての組織において10%以上のCK19タンパク発現を認めたが、高異型度内膜間質肉腫の1例のみでCK19タンパク無発現であった。頸癌12例の49リンパ節、および体癌18例の67リンパ節を2mm間隔連続切片で2つに分けて比較した。頸癌でOSNA法の感度は80%、特異度97.7%、病理との一致率は95.9%であった。体癌のOSNA法感度は85.7%、特異度93.3%、一致率は92.5%であった。頸癌で不一致を2例(OSNA陽性×病理陰性とその逆)に認め、微小転移巣の局在が原因と考えられた。体癌の不一致は5例で(OSNA陽性×病理陰性)を4例に認めたが、標本のultrastagingで全例に病理学的微小転移が確認された。残る1例(OSNA陰性×病理陽性)は体癌の原発巣がCK19陰性であることが原因と考えられた。子宮がんでもSNの術中転移診断をOSNA法で代用できる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)